グリコマニュファクチャリングジャパンは、ミスミが提供する間接材トータルコストダウンサービス「MISUMI floow」を導入した。9月19日、ミスミが発表した。製造現場で用いる消耗品の発注業務を大幅に削減し、在庫管理の最適化も図る。今後は他の工場にも導入を進め、グループ全体のDXを推進する考えだ。
グリコマニュファクチャリングジャパンは菓子や冷菓、加工食品などを製造するGlicoグループの製造部門。全国13工場の中でも歴史の長い大阪工場では、製造ラインごとに異なる間接材の管理が必要で、注文業務が煩雑になっていた。特に、各ラインの要望を総務課が取りまとめて発注する二段階のフローは、担当者の業務負担が大きく、過剰在庫も課題だった。
こうした課題を解決するため、グリコマニュファクチャリングジャパンは「MISUMI floow」を採用した。自販機形式で間接材を提供し、補充もミスミが担当する仕組みが決め手になった。また、顔認証での取り出しのため、食品製造現場で懸念される異物混入のリスク軽減につながる点も評価した。イニシャルコストがかからない点も採用の理由の一つになっている。
MISUMI floowの導入後、注文作業の時間は年間で約2割削減される見込みだ。従来、年320回発生していた注文・補充業務にかかっていた約107時間分が削減できる計算だ。また、サービス導入に合わせて間接材の統廃合も実施。これにより、年間約227万円のコスト削減が見込まれている。現場のスタッフからも「注文が楽になった」といった肯定的な意見が寄せられている。
グリコマニュファクチャリングジャパンの元大阪工場工場長である宮崎敬司氏は、「自動販売機の導入により、間接材の在庫削減と発注業務の効率化を同時に実現し、5Sと業務効率の両面で成果を上げた。今後は使用頻度の高い修繕部品への展開も視野に入れ、国内他工場への展開を検討している」と話している。
また、生産技術課技術係係長の平野剛史氏は、「大阪工場での取り組みは社内でも高く評価されており、出張者や幹部が視察に来るほど関心が高まっている。すでに複数の工場で導入が決定し、Glicoグループ全体が推進するDXの一環として、先進的なサービス導入事例となった」と述べている。
さらに、人事総務課係長の杉内美樹氏は、「弊社ではノンコア業務を削減し、生産性の高い仕事の比率を高めようという方針があるが、注文作業はまさにノンコア業務だった。今後は削減できた時間を活用し、社員の働きがい向上に向けた施策の企画・実施に注力したい」とコメントしている。