パーソルキャリアは、New Relicが提供するオブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を導入し、社内基幹システムのアセスメントに活用している。スムーズかつ無事故でのクラウドリフトに貢献するなど、システム開発やその継続的な改善を支えているという。7月2日、New Relicが発表した。
パーソルグループの中核企業であるパーソルキャリアは、「doda」などの求人メディア運営、人材紹介、転職・就職支援などを手がけている。近年、グループの方針に沿って社内基幹システムのクラウド化を進めており、エージェント事業やdodaプラス事業を支える社内基幹システムについては、すでにクラウド上で運用している。また、システム開発と改善のスピードアップのために内製化も進めている。
こうした取り組みと並行し、システム開発や改修、クラウド移行などの成果を客観的にアセスメントし、次の改善に迅速につなげる仕組みづくりにも着手。フロントエンドとバックエンドの状態を包括的に観測できるソリューションとしてNew Relicを評価、採用した。
2020年10月にNew RelicのPoCを開始し、21年2月に導入。エージェント事業を支えるオンプレミス版の基幹システムの観測を開始した。New Relicの導入により、エージェント事業の基幹システムをスムーズかつ無事故でクラウドにリフトできたという。クラウドリフト時に必要なシステム上の変更がどのような事象を引き起こすかをNew Relicで観測し、オンプレミス版の観測データと照合することで問題点を洗い出すことで、エンジニアの技術的な負担や不安を最小限に抑えながらクラウドリフトを完遂できたとしている。その後、オブザーバビリティの対象は、dodaプラス事業の基幹システムやクラウド版の基幹システムにも広げている。
New Relicを通じた情報共有により、アプリケーション開発チームと保守チームのコラボレーションも促進、効率化できたという。システム改善のペースが上がり、ライブラリ変更やリファクタリング、バージョンアップなどの改善を月に2回という高頻度で行うようになった。フレームワークの刷新など、比較的大がかりな変更も迅速に実現できるようになったという。さらに、New Relicの観測結果に基づいてシステムの細かな改善を繰り返すことで持続可能なアーキテクチャを模索しており、今後はビッグバン更改を不要にする構想もあるという。
パーソルキャリア テクノロジー本部ITアーキテクチャ統括部アーキテクチャ管理部エンタープライズアーキテクチャグループ マネジャーの石井孝典氏は、「持続可能なアーキテクチャを実現するためにも、New Relicによる観測の対象を全ての社内基幹システムに拡大し、同じ指標、同じものさしでアセスメントが行える環境を実現したい。いずれは、社内基幹システムの開発や保守に携わる全てのエンジニアが、メールを使うように日常的にNew Relicを使い、システム改善のプランを練るような文化を築いていきたい」とコメントしている。