坂城葡萄酒醸造は、製造するワインにNFCタグとブロックチェーン技術を組み合わせたトレーサビリティ・サービス「SHIMENAWA」を採用した。6月17日、SHIMENAWAを提供するSBIトレーサビリティが発表した。ワイン一本一本にデジタル情報への接点を設けることで、購入者へ商品の背景にあるストーリーを正確に届け、ブランド価値の向上を目指す。
長野県坂城町に拠点を置く坂城葡萄酒醸造は、千曲川流域の気候や風土を生かしたワイン造りに取り組むワイナリーだ。近年、日本ワイン市場の品質向上と拡大に伴い、長野県内でも新興ワイナリーが増加し、全国有数の生産地となっている。しかし、個性豊かな小規模の造り手が多い一方で、産地全体の価値や背景がボトルラベルや店頭での説明だけでは十分に伝わりきらず、「NAGANO WINE」としてのさらなる認知向上に課題を抱えていた。
こうした背景から、坂城葡萄酒醸造は地域の風土や造り手の思想を体験として伝える情報発信の手法を検討し、今回の取り組みを開始した。採用したSHIMENAWAは、ICタグとブロックチェーン技術を用いて現物資産に固有IDを付与し、関連情報を一元管理できるサービスだ。
今回の取り組みでは、同社が製造するワインのラベルに開封検知機能が付いた専用のNFCタグを実装し、製品とデジタル情報を結び付ける仕組みを構築した。購入者がスマートフォンをワインのラベルにかざすことで、坂城葡萄酒醸造が手がけるワインの特徴やぶどう栽培、醸造へのこだわり、造り手の想いといったコンテンツに継続的にアクセスできるようになる。
これにより、購入者は産地や生産者の背景に触れながらワインの個性や価値をより深く理解できるようになり、商品を通じた新たな顧客体験の創出が可能となった。同社は商品ごとの魅力を正確に届けることで、自社のブランディング強化だけでなく、長野県産ワイン全体の認知度向上にも貢献していく。