NOT A HOTELは、事業運営の情報管理と業務連携を目的に、コラボレーションソフトウェア「Notion」およびAIアシスタント「Notion AI」を全社で採用した。8月7日、Notionを提供するNotion Labs Japanが発表した。「会社のOS」として全社に展開し、組織の透明性を高めメンバーの自律的な働き方を促進する。これにより、全国の拠点で均一な高品質サービスを提供する基盤を構築した。
NOT A HOTELは、「世界中にあなたの家を」をコンセプトに、建築家やクリエイターが手がけた物件を年10日単位で購入できるサービスを提供している。同社ではソフトウェアエンジニアや建築士、ホテル運営スタッフ、シェフなど多様な専門性を持つメンバーが、フルリモート・フルフレックスの環境で勤務している。そのため、全国の拠点で均一かつ高品質なサービスを提供するには、全メンバーが同じ情報に基づいて判断・行動し、一貫性のある業務を遂行できる情報基盤が不可欠だった。
こうした課題を解決するため、会社のOSとしてNotionおよびNotion AIの全社導入を決めた。選定にあたり、柔軟な情報設計とカスタマイズ性に加え、他ツールとの連携で業務効率化が見込める点を評価した。また、Notion AIによって社内のナレッジを蓄積・活用しながら業務を効率化できる点も採用の決め手となった。情報資産を保護しながら生産性を向上させるため、全従業員がNotion AIを利用できるエンタープライズプランを選択している。
Notionを会社のOSとして機能させることで、組織全体の方針や進捗状況、過去の議事録や意思決定プロセスといった情報を、メンバーがいつでも迅速に確認できるようになった。これにより組織の透明性が向上し、メンバーの自律的な行動が促進され、新入社員のオンボーディングも迅速化されている。エンタープライズプランの導入で、共有やエクスポートの制限、監査ログによる情報漏洩防止といった強固なセキュリティと、IdP(Identity Provider)と連携したプロビジョニング機能による管理負荷軽減を両立している。
具体的な活用として、全国に展開する物件の運営マニュアルをNotionに集約している。現場スタッフは、ガウンの結び方やグラスの置き方といった細かな不明点もNotion AIに質問すれば瞬時に確認できるようになった。これにより知識の属人化を防ぎ、新人スタッフでも質の高いサービスを提供できる体制を構築している。また、管理部門や開発部門では文書作成の約90%をNotion AIが担い、作業時間を短縮した。現在ではほとんどのメンバーが日常業務でNotion AIを活用し、ナレッジの蓄積と活用が事業成長につながっている。
NOT A HOTEL Business Accelerator Leadの梶原成親氏は、「ビジネスの本質はいかに自律的に動ける人を増やせるかだと考えている。豊富な情報があれば人は自律的に動けるはずで、情報へのアクセスのハードルを下げることが重要だ。Notion AIは自社のナレッジにAIを活用でき、情報を蓄積するほど精度が高まり、事業成長につなげられる点に大きな価値がある」と話している。