豊田通商の金属資源部、Notion CRMで議事録と日報を自動で蓄積

2026年10月16日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 豊田通商のサーキュラーエコノミー本部 金属資源部は、Modelistの支援で、Notionを土台にしたCRMと、AIエージェントを組み合わせた業務基盤「Notion CRM Agent System」を、先行して使っている。会議の記録がそのままNotionに残り、確認の往復が消えた。AIサマリの作成ペースは、使い始めの頃の約3倍になった。10月15日、Modelistが発表した。

 金属資源部は、電気自動車や半導体に欠かせないレアメタルを対象に、資源開発とトレーディングの両面から事業に取り組む。豊田通商グループがこの領域に本格的に取り組み始めたのは、2009年ごろで、他社が1960年代から手がける鉄鉱石などに比べ、歴史が浅い。型がなく、価格の変動も大きいため、判断は経験者の頭の中に蓄積されやすかった。

 2025年春の組織再編で、部の人数は倍になった。一方、同じ時期に、事業を支えてきた経験者が、海外赴任などで相次いで部を離れた。残ったのは、資源開発の経験がまだ浅いメンバーだった。部長の青木努氏は、当時を「途方に暮れていました」と振り返る。ちょうど同じ時期に、経営からAIとDXの活用を後押しする方針が示された。それまでのAI活用は、今の仕事を同じやり方のまま少し効率化する程度にとどまっていた。

 システムの提案は、以前から複数の会社から受けていた。多くは、業務フローの一部を、ツールで簡便にする提案で、仕事の進め方そのものは変わらなかった。Modelistの提案が違ったのは、機能ではなく、顧客を主軸に、情報が派生していくデータ構造の考え方を、主題にした点だ。同部で資源プロジェクトの案件管理を担い、導入を推進した榊原氏は、この考え方に共感した。質問すると、次の打ち合わせには動くものが出てきて、導入後の使い方まで具体的に示された。Modelistが小規模な会社である不安や、実装で質が落ちる懸念もあったが、約1カ月で解消した。成果物が週ごとに増えたためだ。

 最初に着手したのは、資源投資の候補企業を一覧化して比較するロングリストだった。PDFやウェブの情報を収集し、資源評価に必要な項目を抽出して、データベースに整理した。ただ、榊原氏が置いていたゴールは、別にあった。メンバーのマインドセットを変え、「決めてから作る」のではなく「作りながら決める」アジャイルな働き方を体感してもらうことだ。

 導入後、まず効果が表れたのは、確認や共有の往復が減ったことだ。以前は、会議の後に議事録を書き起こし、上長に見せて修正し、共有する往復が必ずあった。今は、会議の記録がそのままNotionに残る。面談の後は、24時間以内にドラフトを共有し、完成度が6〜7割でも先に出す。複数企業の比較表も、表計算ソフトで作っていたものが、データベースのビューを切り替えるだけになった。汎用のAIアシスタントは、一般論としては正しくても、自分たちの案件の話にならない。Notion CRMでは、これまでの交渉履歴を踏まえた答えが返り、壁打ちの相手になる。部内では、AIの活用事例を持ち寄るコンテストも開いた。

 同部では、青木氏らの活動履歴や交渉の文脈を踏まえて論点整理や壁打ちを支援する「青木エージェント」など、個人エージェントの生成と活用を始めている。日々の発言の記録を基に、AIが判断に関する助言などを担うことで、本人に聞かなくても仕事が進む状態を目指す。青木氏は「AIやテクノロジーの活用は業務効率化であると同時に、社員の福利厚生であり、幸福度の向上」と話す。「工数を3分の1に、できる人を3倍に」という生産性の設計は、あくまで目標値で、実績ではない。

 今後は、まず部内の教育で、デジタル活用のばらつきを埋める。全社への展開は、セキュリティや関連部門の巻き込みが必要になる。2人の紹介で、他部門への広がりも始まっている。

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