NRS、SAPのクラウド会計システムで業務効率化を実現

2024年9月9日08:00|ニュースリリース公開日 2023年9月21日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 NRSは、管理会計とグループ会計を強化するため、SAPジャパンのクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」とBIツール「SAP Analytics Cloud」を導入し、2022年10月に海外拠点12社で本稼働を開始した。2023年9月21日、SAPジャパンが発表した。システム導入と構築はクレスコ・イー・ソリューションが担当した。

 NRSは、化学品、危険物物流のリーディングカンパニーとして、国内外における危険物の輸送や保管、輸送容器のリース・販売など、多岐にわたる事業を展開している。同社は、2021年10月を初年度とする中期経営計画の中でDX専門プロジェクト「Above Beyond Project」を推進するなど、DXに積極的に取り組んでいる。

 そうした中、NRSでは、管理会計およびグループ会計の強化を目的としたグローバル会計システムの刷新を検討していた。従来は顧客別の粗利を正しく把握する仕組みがなく、予実管理も手作業がベースであったため、タイムリーなアクションが難しいという課題があった。

 NRSは、コスト、安定性、保守、そして化学業界におけるマーケットシェアの高さを評価した結果、SAP S/4HANA Cloud(財務会計/管理会計)とSAP Analytics Cloudの導入を決めた。グループ全体の会計業務プロセスを標準化し、かつ連携を自動化することで、データ利活用の高度化を図ることを目指した。システム導入は、技術力、プロジェクト推進力などが評価されたクレスコ・イー・ソリューションが担当し、業務をシステムに合わせる「Fit to Standard」を基本方針として推進した。

 導入作業は2020年5月に開始し、まずは国内拠点への導入を優先した。2021年10月に国内拠点10社で本稼働をスタートさせた後、海外拠点への導入については、国内の導入と並行しながら2021年10月から本格的な開発を開始した。グループ共通基盤をロールアウトする形で開発期間の短縮を図り、2022年10月に海外拠点12社で本稼働を開始した。

 これらの新システムにより、グループ各社の業務プロセスが標準化され、業務効率の向上が実現した。NRS経理部連結決算課の李綱氏は、「まず、月次決算の締めが従来の8営業日から7営業日へと短縮された。また、連結決算が早期化され、経営層への報告も早くなった。これにより迅速なデータ分析が可能となり、経営判断のスピード化が実現している。また、SAP Analytics Cloudの導入によって予実分析が自動化されたことで、経理部門は集計作業から解放され、業務部門に向けて速やかに情報を提供できるようになった」と述べている。

 NRSでは今後、勘定科目などのマスタが統一されたメリットを活かし、会計システム以外の物流システムや倉庫管理システム、通関システムなどの非財務系システムをつなぎ、同一のデータを利活用しながら経営にフィードバックする。

ニュースリリースURL
https://news.sap.com/japan/2023/09/0921_nrssap-s-4hana-cloud/