NTTドコモ、アトラシアン基盤を刷新 大規模環境の柔軟性とガバナンス両立

2025年10月9日21:54|ニュースCaseHUB.News編集部
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 NTTドコモは、アトラシアンが提供するプロジェクト管理ツール「Jira」と情報共有ツール「Confluence」のEnterpriseプラン導入を完了した。システム導入を包括的に支援したリックソフトが10月9日、事例として公開した。利用規模拡大に伴うセキュリティとガバナンスの強化、柔軟な運用体制の構築が目的だ。これにより、高度なガバナンスと、用途に応じた柔軟な環境提供の両立を実現している。

 NTTドコモは、2016年頃からアトラシアン製品の利用を開始し、2024年7月時点でドキュメント・ナレッジ共有ツールのConfluenceが約1万3000ユーザー、タスク管理・プロジェクト管理ツールのJiraが約9000ユーザーに利用者が拡大している。利用規模の増加に伴い、従来のPremiumプランでは、数千人規模のユーザーを単一環境で管理することに限界があった。

 Premiumプランではユーザーアクティビティログが取得できないため管理面に課題があり、またサイト上限数の制限から、用途に応じた環境が個別に増えるなど、全社的なガバナンスとセキュリティの確保が急務となっていた。同社の共通クラウド基盤整備を担うCCoE(Cloud Center of Excellence)チームが、この課題解決を主導した。

 同社は、高度なガバナンスと最大150インスタンスの活用が可能なEnterpriseプランへのアップグレードを決断し、リックソフトを導入パートナーに選定した。リックソフトは、導入支援や運用設計、ユーザー定着化サポートなど幅広い支援を提供している。同社の選定理由として、アップデート情報の提供やクラウド運用支援、ノウハウの充実ぶりを高く評価した。特に「実現したいこと」に対する適切な情報をスピーディーに提供してもらえる点や、国際カンファレンスにおける手厚いサポートなど、リックソフト独自の価値提供が信頼につながっている。

 Enterpriseプランへの移行で、大規模環境における柔軟で効率的な運用体制が構築された。サイトの分割が可能になったことで、部署ごとのニーズに合わせた専用サイトの提供が進み、従来の一括管理からの脱却が実現した。また、グローバル共通仕様の運用などをリックソフトに委託したことで、運用部門の負荷が軽減した。これにより、NTTドコモ側はサービス管理の簡易化に関する検討など、本来注力すべき領域に専念できる環境が整い、効率化と付加価値創出の両立が可能になった。エンドユーザーからも「できることが広がった」など肯定的な反応が寄せられており、全社的なガバナンスを保ちながらも、自由度のある運用が実現している。

 NTTドコモ R&Dイノベーション本部 サービスイノベーション部 クラウドソリューション担当 担当部長の森谷優貴氏は、運用負荷軽減について「グローバル共通仕様に関する運用などをリックソフトに委ねることで、サービス管理自体を簡易化するうえでの社内検討・提案など、我々が本来担うべき領域に専念できるようになり、効率化と付加価値創出の両立が可能になった」と話している。同社は今後、JiraやConfluenceに加え、動画録画ツール「loom」なども含む「Teamwork Collection」への契約変更を予定している。

ニュースリリース