NTT情報ネットワーク総合研究所、ヘルプデスクの問い合わせ窓口を集約 問い合わせ40%減

2026年10月8日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 NTT情報ネットワーク総合研究所は、領域ごとに分かれていた社内ヘルプデスクの問い合わせ窓口を、カスタマーサービスソフトウェア「Zendesk」で1カ所に集約した。構築と運用の支援は、NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)が担った。10月7日、Zendeskが事例として公開した。社員向けのFAQサイトで自己解決が進み、問い合わせ件数(チケット数)は約40%減った。今後は、NTT研究所が開発した大規模言語モデル「tsuzumi」を使ったヘルプデスクを検討する。

 NTT情報ネットワーク総合研究所は、通信ネットワークの基盤・運用技術や、環境・エネルギー技術の研究開発を担うNTTの研究組織だ。同研究所は、社内情報システムのヘルプデスクの使い勝手を改善するため、NTT研究所の先端技術の事業化を担うNTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)に支援を依頼した。

 当時、ヘルプデスクは問い合わせの領域ごとに七つあり、問い合わせの方法がそれぞれ異なっていた。対応で蓄積したナレッジを共有する仕組みもなく、業務やコミュニケーションが分断されていた。社員は「どこに聞けばよいかわからない」状態で、エスカレーションのルールも曖昧なため、たらい回しになって解決に時間がかかるケースが少なくなかった。

 長年使ってきたオンプレミス型のシステムも老朽化し、チャットボットやSlackとの連携といった今の要件に対応しておらず、対応には改修費がかさむ見通しだった。1日1回のバッチ処理や、年に数回のパッチ適用のたびにシステムを止める必要があり、深夜帯であってもシステムが使えないことが、24時間の安定稼働を求められるヘルプデスクの担当者にとってストレスになっていた。

 全社的なクラウド化の流れを追い風に、新しいシステムの検討を始め、Zendeskを選んだ。提案の段階から丁寧に寄り添ったZendeskのパートナーへの期待に加え、理由は二つある。一つ目は拡張性だ。電話やメール、チャットなど複数の経路の問い合わせに一元的に対応でき、外部ツールとの連携も容易で、各システムの認証統合を進めていた同研究所にとっては、Microsoft Entra IDと連携したシングルサインオンを構成できる点も決め手になった。二つ目は、99.99%という高い可用性による安定稼働への信頼だ。国内でのデータ保管など、社内のセキュリティ要件を満たす設計・運用ができる点も安心材料になった。

 2021年11月に要件定義に着手し、2022年10月にZendeskの利用を始めた。複数のヘルプデスクは残しつつ、問い合わせ窓口を1カ所に集約した。社員は問い合わせ先に迷わなくなり、内容に応じて担当のグループが自動で割り当てられ、グループ内で最適な担当者に振り分ける仕組みで、たらい回しもなくなった。ヘルプデスクの担当者も、チケットの対応状況が見えるようになり、対応時のストレスが減った。Zendesk上で社員向けのFAQサイトを整備すると自己解決率が上がり、問い合わせ件数は約40%減った。

 一方、問い合わせ件数が減少する中で、ポータルサイト上の利用者の滞在時間は大きく増えていた。NTT-ATの松下氏は、研究員が自己解決に多くの時間を費やしており、全体の生産性は上がっていないと指摘する。同氏によると、研究員は他人に聞いても答えが得られないことに慣れており、人に聞けば短時間で解決できる問題でも、時間をかけて自力で調べる傾向がある。

 同社はこれを「氷山の下問題」と呼ぶ。そこで、目標を「利用者による最短解決」に据え、問題の発生から解決までの理想の流れを描き、パートナーの力も借りて機能の実装と改善を重ねてきた。FAQサイトが分かりやすくなれば、問い合わせが減り、滞在時間も減って、生産性が上がると見込む。

 今後は、Zendeskに蓄積したナレッジを、NTT研究所が開発した大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」に渡すことで、AI時代のヘルプデスクの可能性を探る。現時点では展望にとどまる。現在は情報システム部門のヘルプデスクに限っているが、研究所全体への拡大も検討している。

 NTT-ATソーシャルプラットフォーム・ビジネス本部の松下龍士氏と柴田漢氏は「Zendeskの導入を機にチケット数は約40%減ったが、問い合わせが減っても、依然として自己解決に多くの時間を費やしているのなら十分とは言えない。日本、さらには世界を変革するために働く研究員たちの貴重な頭脳は、100%研究に使ってほしい」と話している。

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