富士通は、ミッションクリティカルな企業向けサービス運用基盤を、Nutanixのハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)サービス「PRIMEFLEX for Nutanix」へ移行した。10月10日、富士通とNutanixが発表した。これにより、仮想化基盤の導入コストを約30パーセント削減し、システム移行後のメンテナンス作業工数も約90パーセント減らした。
富士通は、今回の移行で培った知見とノウハウを活用し、オンプレミス環境の既存仮想化基盤からNutanix仮想化基盤への移行を支援するサービス「Mission Critical Transformation Service」を同日より拡充し、提供を開始する。今後5年間で、累計約150億円の売上を目指す。
富士通が刷新したサービス運用基盤は、3000社が利用するミッションクリティカルなシステムを支えている。老朽化に伴う基盤刷新にあたり、同社は保守・運用コストの最適化や新しい技術の適用、ビジネス成長への対応などを目指した。移行プロセスでは、システム停止時間の発生や既存システムとの互換性確保、複雑なデータ移行など、多くの課題が想定された。
約2カ月で完了したという今回の移行では、Nutanixの移行ツールを活用し、迅速かつ短期間での移行を実現した。Nutanixの移行ツール「Nutanix Move」は、リファクタリングや再設計なしにアプリケーションをそのまま移行できる。
富士通が新たに提供するMission Critical Transformation Serviceは、基盤検討から移行、運用までトータルで支援する。ミッションクリティカルシステムの停止時間などを考慮し、多数の業務システムを確実に移行させるための計画を策定する。
富士通 執行役員専務の古賀一司氏は、Nutanixの移行ツールを活用したことで、2カ月という短期間で移行を完了でき、導入費用と作業コストを大幅に削減できたと述べている。同氏は、このノウハウを結集し、新たな移行支援サービスを提供すると話し、実績に裏打ちされた両社の連携により、オンプレミス仮想化基盤のトランスフォーメーションを強力に推進する考えを示した。富士通は、今後も提供する他のクラウドプラットフォームへの移行を支援するメニューを順次拡大していく計画だ。