資生堂が顧客分析システム基盤をOCIで刷新

2025年2月4日15:15|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 資生堂が販売・顧客分析システム基盤「B-NASS+」をOracle Cloud Infrastructure (OCI)へ移行し、再構築した。2025年2月4日、日本オラクルが発表した。

 資生堂では、国内外の販売管理と顧客・購買管理情報に市場動向を組み合わせた全社販売・顧客分析システム基盤のB-NASS+を2016年から運用してきた。約5000人が利用するこのシステムは、数千の店頭POSデータから情報を収集・分析し、営業やマーケティング担当者がより綿密な提案を行うためのモニタリング機能や提案書テンプレート、詳細な顧客分析機能などを備える。従来のシステム基盤は、オンプレミスの「Oracle Database」、「Oracle Business Intelligence」、汎用サーバーやストレージで構成されていた。

 今回のシステム刷新では、OCI上の「Oracle Exadata Database Service」と「Oracle Analytics Cloud」へ移行して、増大するデータや多様な分析ニーズへの対応、性能と安定性の向上、コスト削減を目指した。

 移行プロジェクトは、日本オラクルのコンサルティング部門の支援のもと、2022年4月に設計を開始し、本番環境構築、データベース基盤の移行、分析プラットフォーム構築、検証などを経て、2023年6月にOCI上での運用を開始した。

 OCIに移行したことで、5年間のTCO(総所有コスト)の最適化と約20%の運用コスト削減を実現した。また、Oracle Exadata Database Serviceの導入により、夜間バッチ処理が約90%高速化し、画面レスポンスも改善されるなど処理性能が向上した。さらに、Oracle Analytics Cloudでは、従来のインターフェイスをクラウド環境でもそのまま利用でき、新たなセルフサービスBI環境も構築でき、多様なデータを高い自由度で分析できるようになった。

 資生堂は、このシステム基盤へのデータ集約をさらに進め、AIと機械学習の組み合わせやセルフサービスBIの実現を目指す。利用者がより容易にインサイトを取得し、リアルタイムでデータを活用できる営業活動へと進化させていく。

 資生堂のCTIO兼資生堂インタラクティブビューティー共同代表取締役社長の高野篤典氏は、「これまで活用してきたオラクル製品機能のクラウドでの高い再現性と性能により、利用者に変化を感じさせない移行ができ、より堅牢でありながら柔軟性や拡張性の高い基盤へ進化したことを嬉しく思う。今後は将来リリースされる生成AI含む新規機能をタイムリーに活用し、より高度な『データドリブン』支援基盤への進化に取り組んでいく」と述べている。

ニュースリリース