OKIネクステックは、多品種少量生産における業務効率化と需要変動に強い生産体制の構築を目的に、Smart Craftが提供するクラウド工程管理・実績収集サービス「Smart Craft」を採用した。1月14日、Smart Craftが発表した。紙ベースの運用から脱却して、管理者の事務負担を大幅に軽減するとともに、リアルタイムなデータ活用による生産性分析や改善活動を加速させている。
OKIネクステックは、電子機器受託製造サービス(EMS)事業を展開しており、日々多種多様な製品を製造している。従来、製造現場では紙の図面や作業指示書、日報が多用されており、これら帳票類の準備や配布、回収に多大な工数を要していた。特に係長クラスの管理職は、紙の日報からデータを転記・集計する作業が恒常的な長時間残業の原因となっており、収集したデータも分析や改善活動に十分に活用できない課題を抱えていた。
加えて、今後の特定技能外国人の採用増加を見据え、日本語の専門用語を用いた紙の指示書による作業の不確実性や品質低下のリスクを解消するため、多言語対応と作業標準化を同時に実現できるデジタルツールの導入が急務となっていた。
Smart Craftの採用にあたり、IT部門が日経新聞の掲載記事をきっかけに同社へ問い合わせたことが端緒となった。小諸事業所をモデルケースとして導入を進め、外観検査工程からスモールスタートで運用を開始。導入プロセスでは、現場の抵抗感を和らげるために約3カ月間の丁寧なフォローアップを実施した。システムの操作方法を根気強く指導し、紙からタブレット端末への移行を定着させた。
導入の効果として、管理者の業務効率が大きく向上した。紙による製造記録の回収や転記作業が不要になったことで、係長クラスの日報入力業務が削減され、残業時間の抑制につながっている。また、リアルタイムで製造データを確認できるようになったことで、数百種類に及ぶ図面ごとの生産性分析が可能になった。これにより、対策の優先順位付けや月次の改善活動報告会でのデータ活用が進み、現場の標準化が加速している。さらに、デジタル化による作業指示の標準化は、特定技能外国人への教育・指導の円滑化にも寄与している。
今後はSmart Craftの活用範囲を外観検査以外の工程へも順次拡大し、全工程のデータ一元管理と業務の標準化を目指す。将来的には、製造工程全体のトレーサビリティシステムを構築し、車載関連製品への対応強化や、AIを活用した判断業務の効率化など、さらなる生産性向上に取り組む。
OKIネクステック生産技術開発課課長の初澤健次氏は、「Smart Craftは手順に沿って入力できる点が検査記録の収集に適しており、活用を広げていきたい。今後は人的ミスをシステムでチェックできる仕組みも整え、トレーサビリティシステムの構築に役立てていきたい」としている。