阪急電鉄は、アクセシビリティの向上を目的に、移動時にサポートが必要な乗客と鉄道現場をつなぐワンストップ型Webアプリケーション「PAパッセンジャー」を導入した。4月24日、PAパッセンジャーを提供するTransreportが発表した。
全国の鉄道事業者は、人員確保などの課題に直面しており、一部の駅で係員が不在となる時間帯が発生している現状がある。PAパッセンジャーは、障がい者や高齢者をはじめ、サポートを必要とする乗客が、公共交通をより安心・快適に利用できるよう設計されたWebアプリケーション。乗客は、出発前に簡単な操作で乗降等に係るサポートをリクエストできる。阪急電鉄運輸部営業担当の江島周一郎氏は「顧客からのサポート事前リクエストにより、スムーズな乗降を支援できると考え、Transreportのシステム導入を決定した」と述べている。
PAパッセンジャーは、サポートの事前リクエストにより、駅係員が乗客のニーズを事前に把握でき、より迅速かつ的確な対応が可能になる点が評価された。これにより、乗客は安心して移動を計画・実行でき、移動の選択肢が広がることで多様なライフスタイルや移動のあり方に寄り添う体験が期待できる。
Transreportは、導入時に障がいのある乗客や駅係員と複数回のユーザーテストを実施し、現場の声をもとに改善を重ねた。阪急電鉄は日本で初めてPAパッセンジャープラットフォームを導入した鉄道事業者で、既に全87駅で運用されているTransreportの「駅係員向け支援システム」の実績を踏まえ、今回の展開に至った。駅係員向け支援システムには月平均で約22000件のサポート対応実績があり、実績ある運用基盤の上に乗客による事前リクエスト機能が加わった。
乗客が自身のニーズに合わせてサポートをリクエストできるようになり、駅係員も事前情報をもとにスムーズな対応が可能となる。乗客、駅員双方にとって安心感と信頼性の高い移動体験が実現する。車いす利用者や視覚障がい者からは、事前予約によるスムーズなサポート提供や、降車駅でのサポート内容をあらかじめ伝えられることへの安心感が寄せられている。阪急電鉄はTransreportと連携しながら、引き続き利用者の声を取り入れ、システムや運用の改善を進めていく。
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