エバラ食品工業は、現場の業務生産性向上と情報共有の効率化を目的に設備保全アプリ「M2X」を採用した。4月25日、M2Xが発表した。
エバラ食品工業は調味料食品の製造販売を手がけ、国内に3工場を有する。これまで栃木工場では、日報や点検チェックリストといった設備保全関連の帳票管理業務で紙を中心とした運用が常態化していた。その結果、過去データの検索、情報共有、承認作業などで多くの時間と手間が発生し、業務効率低下や管理コスト増加が課題となっていた。特に、日報の内容確認や承認プロセスでは、書類が複数の管理者を経て工場長まで回覧されるため、承認完了まで2~3日を要していた。
エバラ食品工業では情報の即時性と検索性、ペーパーレス推進を目的に現場のスマートフォンの活用を検討した。複数のITベンダーによる提案を受けたが、現場業務にあわせた柔軟なカスタマイズ性やコスト、導入スピードの面で課題が残った。M2Xはシンプルかつ直感的で、モバイルファーストのユーザーインターフェースを備えており、現場目線で「使いやすさ」が評価された。
工場内の各部門で現場社員がスマートフォン等の業務端末を活用し、M2Xのアプリケーション上で帳票の入力・承認・確認を行う。画像や動画ファイルが添付でき、それらを使ってトラブル報告・情報共有が可能となった。過去の記録は検索機能で迅速に参照でき、部署間でのコミュニケーションや保全活動の改善にも役立てている。
従来の紙帳票に比べ入力・修正が容易で、記載ミスや情報の不明点も迅速に確認できる。帳票やトラブル履歴がデジタル化され、画像・動画の活用で現場状況を正確に共有できている。ペーパーレス化が進んだことで印刷コストや紙管理の手間も削減した。また、承認フローがリアルタイムになり、管理者・工場長による確認・承認作業が効率化され、残業抑制にもつながっている。特に、現場からの要望や疑問点に対する迅速かつ柔軟なベンダーのサポート体制についても高く評価している。
エバラ食品工業では今後も、M2Xの運用を通じて設備保全領域でのDX推進を段階的に拡大し、業務の高効率化と現場力向上を目指す。現場起点のIT活用を強化することで、拡大する帳票管理や情報共有の負担を抑え、安全・安心な製造体制の質向上にも寄与していく。
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