ファジアーノ岡山スポーツクラブは、公式アプリの決済機能としてTISIの顧客行動可視化サービス「キャクシル」を採用した。7月27日、TISIが発表した。会員証と決済を一体化する独自Pay「ファジアーノペイ」を7月27日より導入し、スタジアムでの混雑緩和や顧客体験の向上を目指す。
プロサッカークラブのファジアーノ岡山を運営するファジアーノ岡山スポーツクラブでは、試合開始前後の時間帯にグッズ売店や飲食店へ利用者が集中することで、レジの回転率低下や混雑の常態化が課題となっていた。従来の運用では会員証と購買データが紐づいておらず、顧客一人ひとりの購買傾向や来場行動を把握・活用しきれていない側面もあった。さらに、ファンの行動を促すポイントや特典といったインセンティブ設計の必要性を感じつつも、実現に向けたノウハウや体制の整備が追いつかない状況が続いていた。
こうした背景から同社は、TISIが提供するキャクシルの導入を決めた。金融分野で培われたシステム構築の信頼性に加え、企画・設計の初期段階から導入後の運用改善まで一貫して支援する体制を評価した。既存アプリに組み込める開発キット(SDK)を活用することで、新規開発の手間や連携にかかる負担を抑え、短期間での独自Pay実装を実現した。
ファジアーノペイの導入により、会員証の提示と決済を二次元バーコードひとつで完結できるようになり、会計にかかる時間を1件あたり約30秒短縮できる見通しだ。ピーク時の混雑緩和とレジ回転率の向上が期待される。また、会員データとPOSデータを連携させることで、これまで把握が難しかったファンの詳細な購買傾向や行動パターンの可視化が可能となった。収集したデータを分析し、ファンごとのニーズに合わせた販促策や商品企画など、データに基づくマーケティング施策を推し進める。
今後はスタジアム内での利用にとどまらず、ファジアーノペイの決済対応店舗を岡山県内の地域店舗へ順次広げていく考えだ。クラブと地域社会を決済基盤で結びつけ、スポーツを起点とした地域経済の循環や、街全体の賑わい創出につなげていく。
ファジアーノ岡山スポーツクラブ社長の森井悠氏は、「ファジアーノペイは、ファン・サポーターの購買をよりスムーズにすることで、これまで以上にスタジアム観戦を楽しんでいただくことを目指し、会員情報と購買データを活用して一人ひとりのニーズに合ったサービスや企画につなげていくための重要な基盤として期待している。TISIの豊富な知見や技術力、伴走体制を生かし、まずはスタジアムでの顧客体験向上に取り組み、将来的には岡山県内のさまざまな店舗や事業者との連携を広げていきたい」とコメントしている。