PLANET、要件定義AIで業務フロー作成工数を7割削減 PMの案件並行数も最大2倍へ

2025年12月18日23:01|ニュースCaseHUB.News編集部
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 PLANETは、システム開発の要件定義工程を効率化するため、ROUTE06が提供する要件定義AI「Acsim」を採用した。12月18日、ROUTE06が発表した。業務フロー図の作成工数を大幅に削減することで、プロジェクトマネージャー(PM)の稼働効率を向上させ、新規案件の獲得拡大につなげたい考えだ。

 PLANETはシステム受託開発やDX支援を手掛けており、案件の約7割から8割をフルスクラッチ開発が占めている。従来、要件定義は担当者のスキルや経験に依存する属人性が高く、プロジェクトごとにドキュメントの構成や設計の粒度が異なることが課題だった。情報の引き継ぎの非効率やチーム内での認識齟齬から手戻りが発生し、成果物の品質にもばらつきが出ていたという。特に中小企業向けの開発では合意形成に時間がかかり、受注機会を逃すケースもあった。

 こうした構造的な課題を解決し、属人化しない組織運営を確立するため、PLANETはAcsimの導入を決めた。Acsimは、ヒアリング内容などのテキストデータから現状(As-Is)とあるべき姿(To-Be)の業務フローを自動で構造化・可視化できるプラットフォームだ。

 導入の結果、これまで手作業で行っていた業務フロー図の作成工数は最大で6割から7割削減された。テキスト情報が即座にビジュアル化されることで、関係者間の共通理解がスムーズになり、意思決定までのスピードも向上した。作業工数の削減により、PM1人あたりが並行して担当できるプロジェクト数は従来の約1.5倍から2倍に拡大。人員を増やさずに多くの案件を進行できる体制が整った。

 また、ドキュメントのフォーマットが統一されたことで、経験の浅いメンバーでも一定水準のアウトプットが可能になった。これにより、従来は即戦力人材に限定していた採用の幅を広げ、ジュニア層の育成にも活用できる教育補助ツールとしての効果も発揮している。

 PLANET代表の寺井和氏は、要件定義という個人の経験に依存しやすい工程を構造化できるようになった点は非常に有用であり、大幅な工数削減につながっていると評価している。今後は要件定義の高速化を強みに新規案件の受注を拡大するとともに、ジュニアメンバーの育成も積極的に進めていきたいとしている。

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