中小企業向け経営支援クラウドサービス「Big Advance」を提供するココペリは、「Autify NoCode」と「Autify Pro Service」の活用により、ソフトウェアテストの効率化と品質向上を実現した。オーティファイが11月27日に発表した。
ココペリが提供するBig Advanceは、複数の金融機関に導入され、2024年3月時点で2000社を超える企業で利用されている。同社では、ユーザービリティと信頼性の高いシステム設計が不可欠であり、品質保証(QA)の重要性は高い。しかし、金融機関ごとに設定が異なるため、プログラムの変更により別のプログラムに意図しない不具合が発生していないかを確認するリグレッションテストを全て実施するのは困難で、リリースのたびに影響度の高いバグが発生する課題を抱えていた。
以前はテストツールのSeleniumを用い自動化に取り組んでいたものの、メンテナンスの頻発と属人化が課題だった。そこで、誰でも使いやすく、引き継ぎが容易なAutify NoCodeを導入。自動テストの対象範囲が拡大し、リリース時に影響度の高いバグが発生するケースはほぼなくなった。
さらに、QAチームの体制強化に伴い、より体系的かつ効率的なテスト体制の構築を目指し、Autify Pro Serviceを導入。Autifyのテストノウハウを活用しながら、スマートフォンアプリ向けの自動テストシナリオを大幅に拡張した。
Autify Pro Serviceでは、シナリオ作成代行と、メンテナンス・運用に必要なシナリオ実装時の工夫を解説するセッションが提供された。ココペリのQAグループ所属、田村氏は「JavaScriptの書き方に関して『こういう書き方もあるのか』といった具合に技術的な面で非常に勉強になった」と評価している。
Autify導入の効果として、ココペリのテクノロジー事業部ゼネラルマネージャー横山氏は「リグレッションテストにかかる工数が大きく削減された」ことを挙げる。また、開発者の品質に対する意識が向上し、リリース時のバグも減少したという。
ココペリでは、今後のAutifyの機能拡充に期待を寄せている。QAグループ所属の豊岡氏は「シナリオを階層やフォルダで整理したい」、田村氏は「テストプランをグループ化して実行できる機能があれば助かる」と要望を述べている。
また、AIを活用したシナリオ作成サポート機能についても期待が高まっている。田村氏は「フロントエンドの更改に伴うリプレイス作業で70本以上のシナリオを再レコーディングした経験があり、AIの力でなんとかなったら助かる」とコメントしている。