第一三共ヘルスケアは、サプライチェーンリスク管理クラウドサービス「Resilire」を導入した。12月16日、同サービスを提供するResilireが発表した。サプライチェーンリスクの可視化と安定供給体制の強化を図る。
医薬品メーカーである第一三共ヘルスケアは、自然災害や紛争などの有事でも安定した供給を継続できる体制の構築に取り組んでいる。サプライチェーンのリスク低減には、トラブル発生時の初動対応の迅速化、原材料や製品の在庫確保と複数購買化が有効だが、リソースは限られており、製品ごとのサプライチェーンリスクを分析し、対応の優先順位をつける必要があった。
こうした課題にフィットするサービスとして、Resilireの採用を決めた。原材料や製品に関する情報を同じ粒度で整備しつつ、一元管理し、サプライチェーンを可視化できると判断したという。第一三共ヘルスケア サプライチェーン統括部調達グループ長の工藤大介氏は「自然災害や紛争といった有事の影響を把握するだけでなく、平時に安定調達の課題を抽出できる点も導入の決め手となった」としている。
Resilireはリスク対応で豊富な経験を持つコンサルタントの知見などを反映させたフレームワークを搭載し、フレームワーク上で社内外のデータを統合する。組織の課題を抽出するとともに、対応策の作成からデータ管理、策定後のマネジメントまで一括で実行できるという。数十媒体のニュースソースや企業が発表するIR情報をベースに、自社開発した情報解析技術、配信技術を使って、ユーザーごとに必要な情報を提供する仕組みも備える。緊急時には、担当者が状況をサービス上に反映することでリアルタイムにリスク箇所の特定や業務の稼働率が把握でき、事業停止リスクを下げるための対応を促すとしている。