望月眼科が、診察業務効率化のため小型搬送ロボット「KEENON T8」を導入した。株式会社DFA Roboticsが12月25日に発表した。
望月眼科は福岡市南区に位置し、白内障手術やレーシックなど日帰り手術に対応する眼科医院。1日に約200人の患者が来院し、院長の診察では3時間で50人以上に対応している。
同院では、電子カルテとは別に検査項目チェックリストなどが記載されたA4サイズのカルテを使用しており、診察室から会計カウンターへのカルテの運搬がスタッフの負担になっていた。カルテ運搬中に次の診察が始まることや、カルテの滞留による患者の待ち時間増加が課題となっていた。
これらの課題を解決するため、望月眼科は搬送ロボット「KEENON T8」を導入した。同ロボットは、55センチの狭い通路もスムーズに走行できる小型タイプで、トレイセンサーが搭載されており、運搬物がなくなると自動で帰還する。
導入後、KEENON T8は診察室と会計カウンターの間を巡回し、カルテを運搬する役割を担っている。これにより、スタッフはカルテ運搬から解放され、診察記録に集中できるようになった。また、診察終了と同時にカルテを完成させられるため、次の患者をすぐに案内でき、会計の待ち時間短縮にもつながった。さらに、カルテに次の対応を示す色付きの棒をロボットが運ぶことで、補充の手間も省かれた。
同院の医療事務、源五郎丸氏は「ロボット導入後は、カルテの滞留が解消され、診察記録に集中できるようになった。受付・診察・会計の全体の処理速度がアップした」と述べている。また、ロボットは「シロゴマ」という愛称で親しまれており、スタッフだけでなく患者からも好評を得ている。
望月眼科では以前から、業務効率化のためにデジタル技術の導入に積極的に取り組んでおり、電子問診票の導入やチャットワークによる情報共有などを実施してきた。今回のロボット導入で、スタッフの業務負荷軽減、業務への集中、待ち時間の短縮という効果が得られた。同院では、2025年春に開業する分院でも同様にロボットを導入する予定だ。