カインズがソニーの屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX」を顧客の買い物体験向上を目的に採用した。2月21日、ソニーが発表した。
カインズが運営するホームセンターでは、広大な店舗面積と多数の商品アイテム数により、顧客から商品の場所に関する問い合わせが多く、ストレスフリーな買い物体験の実現が課題となっていた。
この課題に対し、カインズは顧客行動を把握するソリューションとしてNaviCXを採用した。NaviCXは特別なハードウェアをほぼ使用せず、導入準備のコストや期間を抑制できる点、店舗側の負担が少ない点が評価された。
NaviCXは、スマートフォンの各種センサーとAIを活用したソニー独自の屋内測位技術を使用し、店舗内や施設内での人の行動データをリアルタイムに取得・分析するプラットフォーム。PDR(歩行者自律航法)、地磁気、ビーコンを組み合わせた独自のアルゴリズムで、高精度測位や「向き」の検出ができる。
カインズのモバイルアプリにNaviCXが搭載されたことで、アプリを利用する500万人以上の顧客は、店内での自分の位置を正確に把握し、求める商品までたどりつきやすくなり、買い物時の利便性が向上した。また、これまで把握できなかった顧客の店内行動が把握でき、定量的なデータに基づいた意思決定が可能となった。
NaviCXの導入により、カインズはストレスフリーな買い物体験を実現した。NaviCXから得られるデータを通じて施策のBefore/Afterを把握、PDCAサイクルを回すことが可能となった。今後は、NaviCXによる店内行動データと購買データを組み合わせることで、顧客一人ひとりに合わせたきめ細やかなコミュニケーションの実現を目指す。
カインズ フォーマット開発事業部 事業部長 兼 デジタル開発推進統括部 統括部長の水野圭基氏は、NaviCXについて「お客さまの店内回遊動線、滞在時間、店内マーケティングの反応などの可視化が可能となりました。今後、来店されるお客さまの買い物体験を向上させる店内販促施策と連動した具体的なサービスへの活用を加速していきます」とコメントしている。
NaviCXを利用できる店舗は2025年1月時点で223店舗に広がっており、今後、全店舗242店へ導入が予定されている。