山善が仮想化基盤を統合し運用コストと投資の平準化を目指して、HPE SimpliVityとHPE GreenLakeを導入した。3月13日、アルファテック・ソリューションズが発表した。
大阪に本社を置く専門商社の山善は、生産財と消費財の「ダブルウイング」による安定経営を基盤に事業を展開している。同社は、多様な業務システムをオンプレミスで運用する中で、3系統に分かれた仮想化基盤の統合とシンプル化、システム維持と運用保守にかかるコストの低減を課題としていた。また、オンプレミス環境への投資を「費用化」し、システムライフサイクル全体でコストを平準化することを求めていた。
これらの課題に対し山善は、ハイパーコンバージドインフラのHPE SimpliVityを採用し、オンプレミス環境のアーキテクチャを統一することにした。さらに、仮想化基盤を構成するハードウェアやソフトウェア群を、従量課金型ITインフラサービスのHPE GreenLakeによる月額従量制で導入することも決めた。アルファテック・ソリューションズ(以下、ATS)は、この統合仮想化基盤の設計・構築・保守を担い、費用化のメリットを最大化するためのサポートを提供した。
導入プロセスでは、3つの既存仮想化基盤を段階的にHPE SimpliVityへ移行・集約することが計画されている。第1期は2024年4月に完了し、現在は第2期(2025年4月予定)と第3期(2025年10月予定)に向けた準備が進められている。また、レガシーシステムの扱いに際しては、HPE GreenLakeの従量制を適用することで、終息させた分のコストを削減できる仕組みで、安心して移行できるようにしている。バックアップ体制には、HPE SimpliVityの機能に加え、「Cohesity SmartFiles」によるNAS環境の整備と、「Veeam Backup&Replication」の活用が図られている。Cohesityは1TB単位でのライセンス追加が可能であり、過剰な先行投資を抑制できる。
この取り組みにより、山善は初期投資を抑制しつつ、利用期間でITコストを平準化できると見込んでいる。また、システム統廃合計画に合わせた月額従量制の適用により、システムの総コストを大幅に削減することを目指している。統合された仮想化基盤の保守をATSに一本化することで、さらなるコスト削減が可能になる。システムを構成する機器・コンポーネントの削減は、運用性と保守性の向上に直結し、HPE SimpliVityへの統合は、3Tier環境でありがちなサポート期間のずれやファームウェアのミスマッチといった課題を解消し、運用のシンプル化に大きく貢献する。
山善 経営管理本部 情報システム部 インフラ課長の薄井大輔氏は、「私たちが採用した『HPE SimpliVityをHPE GreenLakeによる月額従量制で利用するモデル』は、総コスト、運用管理性、システム性能の3つの評価軸で最高のスコアと評価しています」と語り、今回のプロジェクトを通じてオンプレミスのメリットを再認識したとしている。山善は、第4世代仮想化基盤の整備により理想的なハイブリッドクラウド環境に近付けると期待している。
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