給与計算業務のアウトソーシング・代行サービスのペイロールが2023年11月、給与計算システムのデータベース基盤としてOracle Exadata Cloud@Customerを導入した。日本オラクルが発表した。
ペイロールは給与計算および関連する周辺業務のアウトソーシング・サービスを提供する企業。2023年3月末時点で255社107万人の給与計算を受託している。同社は顧客増に伴うデータ量の増加や年末調整などの繁忙期に対応するため、これまでUNIXサーバーとOracle Databaseを利用した3階層システムを運用し、必要に応じてシステムリソースを増強してきた。
今後のさらなる事業成長を見据え、従来の対処方法では限界があることや、パフォーマンス不足による障害発生のリスクが課題となっていた。そこでペイロールは、サービスの安定運用維持と基幹システム刷新のため、Oracle Exadata Cloud@Customerの導入を決定。2022年10月に本番運用を開始した。
導入の目的は、増加するユーザーに伴う大容量データ処理のパフォーマンス強化とシステムの安定稼働だ。Oracle Exadata Cloud@Customerは、Oracle Databaseのパフォーマンスを最大限に引き出しつつ、データベースの管理負荷軽減と利用効率向上を実現する。
ペイロール CIO情報システム担当の酒井弘樹氏は「当初は最新のUNIXサーバーとOracle Databaseへ移行する従来案も検討したが、今後も増加が見込まれる大量データを高速かつ安定的に処理するには、リソースを柔軟に設定できるOracle Exadata Cloud@Customerが最適であると考えた」と述べている。
事前検証では、従来型のUNIXサーバー環境と比較して3倍から55倍の処理効率化が確認された。また、年末調整補助サービスの繁忙期に合わせたリソースの柔軟な設定やコスト最適化も可能となった。
ペイロールは今後、BCPサイトのOracle Database環境もOracle Exadata Cloud@Customerで刷新し、Oracle Data Guardを活用したレプリケーションを行う予定だ。これにより、プライマリーサイトとの運用の共通化も実現する。