広島県は、災害リスク情報の共有や公共土木施設の管理効率化を目的にインフラマネジメント基盤「DoboX」を構築した。4月7日、技術支援を行ったEYストラテジー・アンド・コンサルティングが発表した。
DoboXは、浸水想定区域や土砂災害警戒区域などの災害リスク情報や公共土木施設の情報を3Dマップや地図上で確認できる基盤。行政内部で利用していた情報をオープンデータ化することで、県民や民間企業、研究機関など幅広い利用者がアクセス可能となった。背景には、2018年の西日本豪雨災害による甚大な被害があり、デジタル技術を活用した防災対策と維持管理の効率化が急務となっていた。
従来、道路や河川など分野ごとにシステムが構築されており、分野間や国、市町との連携が困難だった。この課題を解決し、安全性と利便性の向上、新たなビジネスモデル創出を目指して全国に先駆けてデータ連携基盤の構築に取り組んだ。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの協力の下、DoboXの開発は構想から運用開始まで約2年という短期間で進捗した。同社はシステム開発に必要な機能の整理や仕様調整、技術支援を実施。具体的には、広島県内18課が保有する49システムの現状分析や国内外60件の先行事例調査を行い、データカタログ機能やアプリケーション機能など必要な基盤機能を明確化した。
2022年6月に運用開始後、DoboXの利用は急速に拡大。当初月5,000回だったデータダウンロード数は現在約15万回に達している。防災活動や設備リスク確認、研究活動など幅広い用途で活用されており、観光ナビアプリや防災アプリなど新たなサービス提供にもつながっている。また、データ利活用イベントの開催など県民生活への付加価値創出も進められている。
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