川崎市、環境行動変容アプリを活用し脱炭素化を加速

2024年9月9日08:10|ニュースリリース公開日 2023年11月16日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 川崎市が環境に配慮した行動変容を促進するスマートフォンアプリを活用した実証実験を実施する。富士通が2023年11月に発表した。同社が開発した環境行動変容アプリ「Green Carb0n Club」を用い、市民や事業者の環境配慮型ライフスタイルへの移行を促進する。実証実験は2024年3月31日まで行われる。

 川崎市は2050年のCO2排出量実質ゼロを目指しており、市民や事業者の自発的な環境配慮行動の増加と継続性を高めることが課題となっていた。そこで富士通と連携し、環境アプリを通じて環境関連のイベント参加や環境に配慮した商品の購入などの行動にポイントを付与する仕組みを導入。2022年10月から2023年3月まで実施した前回の実証実験では、ポイント付与が環境配慮行動の促進につながることが確認された。

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「Green Carb0n Farm」のイメージ

 今回の実証実験では、新たにゲーミフィケーションとコミュニティの要素を取り入れる。環境アプリ内で川崎市を舞台にした街づくりゲーム「Green Carb0n Farm」を提供し、実際の環境配慮行動とゲーム内の進行を連動させる。また、地元のスポーツチームのファンコミュニティと連携した企画も実施。共通の趣味を持つ参加者同士の交流が環境配慮行動の促進につながるかを検証する。

 さらに、事業者向けに環境配慮行動の分析ダッシュボードを提供。市民の環境配慮行動やCO2削減効果を数値化し、傾向分析を可能にする。これにより事業者間のコラボレーション機会の創出や、環境貢献の効果検証を目指す。

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事業者向けダッシュボード画面イメージ

 川崎市は本実証を通じて、市民および事業者の行動変容を促進するとともに、多様な主体と連携しながら脱炭素化に向けた取り組みを進める方針だ。福田紀彦市長は「今回の新たな実証を契機として、市内の脱炭素ムーブメントがより一層加速されることを期待している」と述べた。

 富士通は環境アプリの機能を拡充し、市民が街への貢献を直感的に体感できるようにデザインを刷新する。また、環境配慮行動に関するデータを安全に流通・分析する技術を活用し、事業者による環境貢献の効果検証や環境施策の立案を支援する。富士通の堤浩幸執行役員は「本取り組みを含めた変革の創出を起点に、社会課題解決に向けた取り組みを地域のさまざまな主体と共創していく」としている。

 両者は今後も連携を強化し、持続可能なまちづくりの実現に向けて、環境配慮行動の促進と脱炭素社会の実現を目指す。

ニュースリリースURL
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2023/11/16.html