イノベーション、シフト管理の効率化で現場負担軽減とスタッフ満足度向上

2025年5月23日17:52|ニュースCaseHUB.News編集部
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 イノベーションは、慢性的な人手不足や業務効率化の課題解決を目的に、クラウドシフト管理サービス「らくしふ」を採用した。らくしふを提供するクロスビットが5月21日に発表した。

 イノベーションは大阪府寝屋川市で訪問介護「INOVE」、放課後等デイサービス「RIPPLE」、生活介護「TOIRO」の3事業を展開し、重度の知的・身体障がい者を支援している。設立から20年にわたり現場の知見を蓄積し、地域に根ざした福祉サービスを提供してきた。近年は質の高いサービス提供を目指し、正社員の積極採用を進め、2025年1月時点で全49名中24名が正社員である。平均年齢29歳と若手スタッフが多く、デジタル活用への意識も高い。

 一方で、従来のシフト管理はLINEグループや紙で希望シフトを回収し、手作業でエクセルに転記する運用だった。この方法では提出遅れや入力ミスが頻発し、確認や修正に多大な時間と手間がかかっていた。月あたり最大20時間の業務工数が発生し、希望通りにシフトが反映されずスタッフの不満や不信感も生じ、離職リスクが高まる課題もあった。特に時間対効果を重視する若年層スタッフにとって、シフト提出や確定を待つプロセスはストレスの要因だった。人材不足が深刻化する福祉・介護業界において、離職防止は重要な経営課題であり、シフト管理の仕組み自体を見直す必要性から、らくしふの導入を決めた。

 導入後、シフト作成にかかる時間が約6分の1に削減され、管理者が本来注力すべきケア業務に集中できるようになった。自動リマインド機能で希望シフトの回収がスムーズとなり、提出忘れも減少している。締め切り時点でほぼ全ての希望シフトが揃うようになり、2時間かかっていたシフト作成は約20分に短縮された。

 スタッフへの導入もLINE上で完結するため負担が少なく、1回の説明会で自然に定着し、導入後の問い合わせは発生していない。シフト提出や確認、変更依頼がLINEで完結する利便性により、スタッフ満足度も向上している。勤務日前日までかかっていたシフト確定が5日前に早まり、個人の予定も立てやすくなった。エクセル転記が不要となり、入力ミスも減り信頼性の高いシフト運用が実現している。

 複数事業所を掛け持つアルバイトスタッフの管理には、らくしふのポジション機能を活用している。事業所名をポジションとして登録し、兼務状況を明確化することで、スタッフの所属と勤務状況を一覧で把握可能になった。これにより、ポジション別にスタッフを並べてシフト調整ができ、管理者同士での確認作業が不要となり、勤務の重複や調整ミスも解消した。

 イノベーション 代表取締役専務 内山武人は「慢性的な人手不足が懸念される福祉・介護業界において、シフトに起因する離職を防ぐことは非常に重要。LINEで希望シフトを提出・確認できるらくしふの利便性は、IT化が遅れがちなこの業界でも有効で、実際に当社でも定着率が向上した」と評価している。今後はヘルプ機能やタスク機能の活用、シフトデータと勤怠システムの連携による予実管理のシステム化にも取り組み、DX推進を通じて現場の業務時間をより多く利用者支援に充てていく考えだ。

 シフト管理者の奴久妻李哉も「希望シフト提出のリマインドや回収状況の確認に追われていた業務が、らくしふで驚くほど楽になった。エクセル転記ミスもなくなり、シフトのことで頭がいっぱいになる時間がなくなった」と述べている。イノベーションは今後もらくしふを活用し、働く環境の質向上と現場業務の効率化を推進していく。

ニュースリリース


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