ミツフジは、作業者の猛暑リスクを可視化するウェアラブルデバイス新モデルの通信機能拡充を目的に、ソラコムのIoTプラットフォーム「SORACOM」を採用した。7月4日、ソラコムが発表した。チップ型SIM(eSIM)の採用でデバイスの小型・軽量化とクラウド連携を両立し、作業者の安全状態を遠隔から一括で管理できる体制の構築につなげる。
ミツフジは、着用者の脈波から深部体温の変動を推定し、猛暑リスクを通知するリストバンド型のウェアラブルデバイス「hamon band」シリーズを開発・提供している。2025年6月に改正労働安全衛生規則が施行され、事業者による熱中症対策が義務化されたことを受け、作業者一人ひとりの体調をリアルタイムに把握・管理できるソリューションへの需要が高まっている。
従来モデルはネットワーク接続機能がなく、リスク通知は着用者本人のみに行われていた。そこで、2025年4月に販売を開始した新モデル「hamon band N」では、セルラー通信機能を搭載し、クラウド経由で現場責任者にもリアルタイムで通知を共有できる機能を追加した。これにより、複数拠点にまたがる作業員の状況を遠隔から一括で管理し、迅速な対応や指示を可能にする。
開発にあたり、現場で長時間装着されるウェアラブルデバイスには、身体の動きを妨げない小型・軽量さと、作業の衝撃に耐える高い耐振動性が求められた。SORACOMのeSIMは、これらの要件を満たす通信機能の実装を可能にした。また、デバイスの製造から販売までの期間に発生する通信コストを抑える「休止」ステータスといった柔軟な料金体系や、WebコンソールやAPIを通じて通信回線を制御できる運用性の高さも評価した。
SORACOMのデータ転送サービスの活用で、デバイス側のデータ通信量を抑制し、省電力化とシンプルな設計を両立した。加えて、日本国内だけでなく世界中で利用可能な通信プランが用意されており、将来的な海外展開にも柔軟に対応できる点も採用の決め手となった。
ミツフジは、SORACOMの採用で、通信機能を搭載したソリューションを短期間で市場に投入できた。ミツフジCOOの白鯛有希氏は「SORACOMを採用したことで、通信搭載のソリューションを、より多くの方に届けるためのデバイスやシステムを短期間で整えることができた。今後も、現場の声に耳を傾けながら、安心・安全な社会の実現に向けた取り組みを進めていく」と述べている。
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