フジオーゼックスは、省人化と生産性向上を目的に「Smart Craft」を採用した。5月21日、Smart Craftを提供するSmart Craftが発表した。
フジオーゼックスは、自動車業界における電気自動車へのシフトによるガソリンエンジン需要の減少リスクを見据え、エンジン部品事業において残存者利益を確保しつつ、競争力を高める必要があった。こうした事業環境の変化を背景に、同社では工場のスマートファクトリー化を推進し、効率的な生産システムの構築を目指す中、稼働状況の見える化やリアルタイム監視、データ収集に取り組むDXプロジェクトを立ち上げた。
製造現場のデジタル化を進めるにあたり、フジオーゼックスはSmart Craftの導入を決めた。選定理由としては、同サービスが製造現場の工程管理や品質管理、集計・分析など一連の業務プロセスをタブレットやスマートフォンなどのモバイル端末でデジタル化でき、現場状況のリアルタイムでの見える化と製造データの一元集約を可能にする点を評価したことが挙げられる。
同社ではまず、自動車エンジンバルブの加工ラインにおいて、各設備に設置されたPLC(プログラマブルロジックコントローラ)のデータを一箇所に集約する統合PLCを構築した。さらに、GUGENが提供するIoTゲートウェイ「FALCONNECT」を活用し、設備稼働データの自動収集を実施。収集したデータはSmart CraftとAPI連携させ、製造指示に紐づいた設備稼働状況をリアルタイムでモニタリングできる仕組みを構築した。
導入後はラインを構成する各設備の稼働・停止理由を自動で収集し、稼働状況の把握にかかる人的負担が軽減された。また、設備トラブルの原因を製造指示と紐づけて把握できるため、トラブルの詳細な分析や即時の改善にもつながっている。さらに、リアルタイムモニタリングによる情報共有が現場の迅速な意思決定を支援し、コミュニケーションの円滑化にも寄与している。
フジオーゼックスは、Smart Craftの導入を通じて省人化とライン全体の稼働率向上を実現した。今後はラインの拡大を進めるとともに、不良情報や出来高数の自動カウントなど、設備から収集できる情報とSmart Craftとのデータ連携をさらに強化していく。
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