イオン住宅ローンサービス、クラウド基盤移行でシステム運用の安定性と柔軟性を強化

2025年6月18日19:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 イオン住宅ローンサービスは、基幹業務の持続的な安定運用と事業成長への柔軟な対応を目的に「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上の「Oracle Autonomous Database」へシステム基盤を全面移行した。日本オラクルが6月17日に発表した。

 イオン住宅ローンサービスは、イオングループの金融事業を担うイオンフィナンシャルサービスのグループ会社として、投資用マンションローンを中心とした金融サービスを展開している。同社では従来、オンプレミス環境で融資管理システムなどの基幹システムを運用していたが、ハードウェア保守の終了やセキュリティパッチ適用の遅延、リソース調整の難しさ、災害復旧(DR)構成の強靭化といった複数の課題を抱えていた。特に、少人数体制の情報システム部門にとって、安定的かつ安全なシステム運用の確保は経営課題となっていた。

 こうした事業環境の変化を受け、同社は「Oracle Cloud Lift Services」によるクラウド移行の実現可能性調査やPoC(概念実証)を経て、OCIへの本格移行を決断した。日本オラクルのコンサルティング・サービス部門の支援のもと、オンプレミスのOracle Database環境からOCI上のAutonomous Databaseへの移行において高い親和性と信頼性を評価し、2024年4月にプロジェクトを開始。約1年という短期間で全面クラウド化を完了し、本格運用を開始した。

 融資管理を担う社内処理システムに加え、業務・管理系システムやリモートワーク対応のシンクライアント環境を含むシステム基盤全体をOCIに移行した。これにより、業務システムの可用性や柔軟性が大幅に向上し、ビジネス成長に応じたリソース調整や新規システム導入要望にも短納期で対応できる体制を整えた。ハードウェア調達のリードタイム削減も実現している。

 導入効果としては、少人数体制でも高度なセキュリティと可用性を維持した安定稼働が可能となったほか、OCI上のシンクライアント基盤によりセキュアなリモートアクセスと保守体制を構築し、柔軟な働き方を支援している。災害復旧構成やセキュリティ対応も高いレベルで実現し、持続可能なIT運用体制を確立した。

 イオン住宅ローンサービス取締役の鈴木淳氏は、「限られた人員体制の中でいかに安定的かつセキュアなシステム運用を実現するかが長年の課題だった。OCIを活用することで、基幹システムのクラウド統合・最適化に加え、DR構成やセキュリティ対応も高いレベルで実現できた」と述べている。

 今後、同社はAutonomous Database内に蓄積される業務データと生成AI技術を組み合わせたRAG(Retrieval-Augmented Generation)による業務活用や、自然言語によるデータベース問い合わせなど、革新的な取り組みも視野に入れている。

ニュースリリース


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