ルネサンス高校グループ、生徒の個人情報保護を強化 エンタープライズブラウザで内部不正対策

2025年7月11日17:53|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ルネサンス高校グループを運営するブロードメディアは、生徒の個人情報漏洩を防ぐ内部不正対策を目的にエンタープライズブラウザ「Island」を採用した。7月11日、Islandを提供するマクニカが発表した。これにより、Webアプリケーションで管理する生徒情報の操作を詳細に監視、可視化できるようになった。普段利用するブラウザと変わらない操作性を維持しつつ、セキュリティを大幅に強化した。

 ブロードメディアは教育事業を中核の一つとし、インターネットを活用した広域通信制高校であるルネサンス高校グループ3校と12拠点のキャンパスを運営している。近年、教育業界で内部関係者による生徒の個人情報漏洩事件が相次いだことを受け、同社でも内部不正対策の強化が喫緊の課題となっていた。

 同社は従来、外部からのサイバー攻撃に対しては多層防御を講じていたが、内部不正への対策はセキュリティポリシーの策定にとどまり、システム的な対応が不足していた。導入済みのログ収集ツールも事後的な追跡が主目的であり、悪意のある情報持ち出しを未然に防ぐには不十分だった。そこで、ネットワーク経由でアクセスを制御するSASE(Secure Access Service Edge)も検討したが、アプリケーションごとに細かな制御を行うことが難しく、業務に支障をきたす懸念があった。生徒の個人情報はWebアプリケーションで管理しているため、最終的にブラウザ自体にセキュリティ対策を施す方針を固めた。

 複数の選択肢を検討する中で、Islandが採用された。採用の決め手は、ファイルのアップロード・ダウンロード制御、データマスキング、アクセス制御、ブラウザ上の全動作の記録といった内部不正対策に求められる機能を網羅していた点だ。加えて、多くのWebブラウザの基盤であるChromiumをベースに開発されているため、既存のブラウザと変わらない操作性を維持できる点も高く評価された。

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Islandによる内部不正対策のイメージ

 Islandの導入により、生徒情報を扱う業務システム上での操作をスクリーンショットで確認するなど、詳細な監視が可能になった。これにより、操作の制限とログの可視化が実現した。導入前の課題だった、機密情報のダウンロード制御や監査証跡の不備といった問題も解消されている。また、端末にエージェントを配布する必要がなく、操作性も従来のブラウザと大差ないため、現場の混乱なくスムーズな導入ができた。Islandにはブラウザ・アイソレーションやフィッシング対策などの機能も組み込まれており、ブラウザ経由の業務における情報漏洩対策として、追加の投資が不要である点も利点とされている。

 ブロードメディアでは今後、教育サービス部門の拡大に伴う人員増に対応し、Islandのライセンスを増やす計画だ。また、蓄積された操作ログを分析し、業務アクティビティの把握や可視化に活用していくことも検討している。

ニュースリリース


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