九電工、新本社で会議室予約と空調を連携 省エネと利便性を両立

2025年7月23日20:22|ニュースCaseHUB.News編集部
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 九電工は、新本社の業務効率化や環境負荷低減を目的に、ビットキーのオフィス向けコネクトプラットフォーム「workhub」を採用した。7月23日、workhubを提供するビットキーが発表した。会議室予約システムとビル全体の空調システムを連携させ、省エネルギーと従業員の利便性を両立させる。

 九電工は新中期経営計画において、生産性改革の一環として先端技術やITを活用した業務改革を掲げている。特にエネルギー消費の大部分を占める空調制御の最適化に着目し、環境に配慮した取り組みを進めてきた。今回の新本社への移転にあたっては、「DXを通じたオフィスの業務効率化」「従業員の満足度を高める働きやすいオフィス」「環境負荷の低減」の3点を重視していた。

 workhubは、これらの課題を解決できる点に加え、ビルの設備と連携して会議室の予約状況に応じて空調を自動制御できる機能が評価され、採用に至った。顔認証によるスムーズな入退室など、従業員の利便性を高める機能も選定のポイントになった。

 今回の取り組みの特長は、会議室予約システムとビル空調システムの連携にある。従業員がworkhubのアプリやOutlookカレンダーで会議室を予約すると、予約時間前に自動で空調が起動し、快適な室温で会議を始められる。また、入退室履歴から最後の従業員が退室したことを検知すると、空調と照明が自動で停止する。これにより、快適性を損なうことなく、省エネを実現する仕組みだ。ビットキーによると、会議室の予約状況に応じた空調の自動起動は、同社初の取り組みだ。

 従業員の利便性向上策として、顔認証による入退室管理も導入した。新本社が入居するビル「ONE FUKUOKA BLDG.」では、共用部ですでにworkhubによる顔認証入退館システムが導入されている。九電工は専有フロアの執務エリア入口や会議室にも顔認証端末を設置し、共用部のシステムと連携させることで、従業員はビルエントランスから自席や会議室まで、ICカードなどを使わずに手ぶらで通行できる。

 さらに、入退室履歴はパナソニックのビル入退室管理システム「eX-SGⅡ」とも連携する。最終退室者を検知すると警備システムが自動で起動するため、従来必要だった専用カードでの操作が不要になり、セキュリティ強化にもつながる。

 フリーアドレスを採用した執務エリアや会議室、ライブラリーなどの座席予約もworkhubのアプリ一つで可能だ。オフィス内のビーコンが従業員の位置情報を捉え、予約したエリアへの自動チェックインもできる。来訪者対応では、従業員が普段利用しているOutlookカレンダーで予定を登録するだけで、ゲストに入館用の二次元コードが自動で送付される。これにより、受付での手続きが不要になり、担当者への内線電話の取り次ぎといった手間も削減される。

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各システム連携のイメージ

 九電工総務部プロジェクト課課長の功野一也氏は、「今回の移転では、デジタルを活用し、環境負荷の低減と従業員が快適かつ安心して働ける環境の両立を目指した。workhubは、従業員の利便性を高めるだけでなく、会議室の予約に基づき空調を自動で起動できる点を評価した。働き手の利便性向上とオフィス環境の改善、さらには脱炭素社会への貢献も両立できると考えており、今後の省エネルギー効果にも大いに期待している」と話している。

ニュースリリース


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