富山県は、県民向けの防災情報共有強化を目的に、インテックの「エリアデータ利活用サービス」を採用してマルチテナント型のデータ連携基盤を構築し、2024年4月から運用を開始した。2024年4月26日、TISインテックグループのインテックが発表した。
富山県では、2022年度からデータ連携基盤の調査・実証を開始し、県と15市町村で構成する「データ連携県・市町村連絡調整会議」において、防災・観光分野への活用について協議を重ねてきた。特に防災分野において、県や市町村の垣根を越えたデータ活用は、県民の安全・安心な暮らしに不可欠との認識から、2023年度に県内市町村も利用可能なデータ連携基盤構築事業に着手した。インテックは、自治体向けIoTプラットフォーム導入・運用や、市町村間システム共同利用の構築・運用支援の知見を活かし、調査実証段階から事業に深く関与し、今回「エリアデータ利活用サービス」の提供を通してデータ連携基盤を構築した。
新たに構築されたデータ連携基盤は、センサーデータやオープンデータなど、様々なデータを統合・可視化・共有できることが特徴。特に、国や県、市町村の境界を意識することなく、様々な防災関連情報を県民向けに公開する「シームレスデジタル防災マップ」として活用される。
「エリアデータ利活用サービス」は、富山県共通領域と個別領域を設定できるマルチテナント方式を採用し、データごとに住民向け/職員向け属性設定も可能な柔軟性を備えている。これにより、県域全体でのデータ共有と利活用を促進する。また、県内自治体で導入済みのデータ連携基盤や、他システム・アプリとの連携も可能とし、県民が必要な情報を一元的に確認できる環境を提供する。
「シームレスデジタル防災マップ」は、富山県のオープンデータ、IoTデータ、GISデータに加え、国の機関が公表するデータも統合・可視化し、県民はPCやスマートフォンからアクセスすることで、河川の水位、路面の温度、監視カメラ情報、ハザードマップなどを確認できる。県内の自治体が保有するデータの特性に応じ、API連携など様々な連携方式を実装しており、県民目線で必要な情報を集約して確認できる。
インテックの「エリアデータ利活用サービス」は、IoTによるリアルタイムデータやオープンデータなどを活用し、地域に関連するデータの収集・可視化・利活用を促進するデータ連携基盤サービス。グローバルスタンダードなオープンソースソフトウェア「FIWARE」を搭載し、内閣府のスマートシティリファレンスアーキテクチャに準拠している。