湖池屋の京都工場は、現場帳票のデジタル化を目的にカミナシが提供する現場DXプラットフォーム「カミナシ レポート」を導入した。9月4日、カミナシが発表した。紙帳票での管理が現場や管理部門の大きな負担となっていたが、導入により記録精度の向上と承認作業時間の削減に成功した。
湖池屋はポテトチップスなどのスナック菓子を製造する老舗食品メーカー。京都工場では、主力商品である「ポリンキー」や「ドンタコス」などを製造している。現場では幅広い年代や国籍の従業員が働いているが、点検や記録業務の大半を紙の帳票に依存しており、多い日には1日500枚近くの帳票が発生していた。管理者は大量の紙の確認・承認に追われ、記入ミスや記録漏れも頻発するなど、属人的な帳票管理がDX推進の妨げとなっていた。
こうした課題を解決するため、湖池屋の京都工場では「現場で本当に使えるデジタル化」を目指し、現場での使いやすさを最優先にカミナシ レポートを選定した。導入初期段階から、班長クラスを含む約50名が操作体験会に参加。説明なしでも若手社員が直感的に操作できること、またベテラン層からも「これなら使える」と前向きな声があがったことが、現場へのスムーズな定着につながった。
カミナシ レポートの導入後、手書きだった現場の記録業務はタブレット入力に変わった。入力チェック機能により、ミスや空欄はその場で検知・修正できるようになり、リアルタイムで管理画面での確認も可能になったため、記録精度が大幅に向上している。また、承認フローの活用で、管理者の確認・承認業務にかかる負荷も軽減された。
湖池屋の副工場長である浅田氏は、「導入以前と比べると、承認作業にかかる時間は大幅に短縮されました。業務効率の面で確かな改善を実感しています」と話している。DX推進担当の箱﨑氏は、カミナシの設計思想について「"人に寄り添う設計"という言葉がふさわしいプロダクトだと感じました。人は誰しもミスをするという前提に立ち、それをどう防ぐか、どう気づかせるかという視点で作り込まれていることが伝わってきます」と語る。