明成商会は、名刺情報を会社資産として活用することを目的に、ハンモックの「ホットプロファイル」を採用した。9月19日、同製品を提供するハンモックが発表した。約1万枚の名刺情報を電子化することで顧客情報の全社共有を実現し、営業活動の効率化と組織的な情報活用を強化する狙いだ。今後は商談管理機能やAI機能も積極的に活用し、営業力向上につなげる。
商社として創業90年以上の歴史を持つ明成商会は、化学品やエレクトロニクス・ソリューション、海外事業など多様な事業を展開している。事業部ごとに異なる営業スタイルを持つ中、名刺情報が個人管理に依存していたため、営業情報の共有や引き継ぎがスムーズに行えないことが課題だった。担当者ごとに名刺を管理していたため、顧客接点が可視化されず、連絡の重複や対応漏れが発生するケースもあった。
こうした状況を改善するため、同社は名刺情報の電子化と全社的な共有を目的に、名刺管理ツールの導入を検討。その過程で、名刺管理機能と商談管理機能を両立するホットプロファイルに着目した。採用の決め手は、名刺管理から始めて段階的に商談管理へと広げられる柔軟な導入体制、費用面を含めた運用への適合性、そして取引先からの高い評価だった。また、国産製品であること、豊富な導入実績、継続的な機能改善も評価ポイントになった。
ホットプロファイルの導入にあたっては、ハンモックの担当者が現場の不安に寄り添い、複数回にわたる説明会を実施するなど、手厚い導入支援を行ったことが、社内での合意形成をスムーズに進める上で役立った。
現在、明成商会では全従業員がホットプロファイルを活用し、約1万枚の名刺と3200件を超える企業情報が電子化され、顧客情報が全社で共有できるようになった。外出が多い営業担当者は、スマートフォンで名刺を取り込み、必要な時に顧客情報へアクセスするスタイルが定着。部署をまたいだ情報共有も可能となり、引き継ぎ漏れや連絡の重複といった属人化した課題からの脱却が進んでいる。
明成商会 経営管理部 人事・総務課の担当者は、「今後は名刺情報だけでなく、商談の履歴や進捗も一元的に管理できるようにしていきたい」と話す。蓄積された企業情報を営業戦略の立案や人材育成にも活用できると期待を寄せる。さらに、AIによる議事録の自動生成やファイル管理機能についても「現場との兼ね合いを考慮しながら積極的に取り入れていきたい」とコメントしている。