大阪公立大学は、エイム・テクノロジーズが提供する清掃ロボット「KIRARA」とエレベーター連携システム「エレベータクラウド」を、中百舌鳥キャンパススマートエネルギー棟に導入した。9月24日、エイム・テクノロジーズが発表した。建物の制御基盤とロボット、エレベーターを連携させ、清掃作業の効率化と運用負荷の軽減を目指す。今後は、新設された森之宮キャンパス学舎でも同様のソリューションを展開していく予定だ。
今回の取り組みは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が支援する研究開発プロジェクトの一環として実施されたものだ。大阪公立大学は、建物全体のIoT機器や設備を統合的に制御・管理する「ビルOS」構想を推進しており、その実証実験の場として導入が行われた。
エイム・テクノロジーズのエレベータクラウドは、ビルOSがAPI経由でエレベーターを制御し、清掃ロボットがフロア間を自律的に移動できるようにするシステム。これにより、単一フロアに限定されていたロボットの活動範囲が建物全体に広がり、効率的な清掃作業が可能となる。
両者は今回の導入で、エレベーター連携によるロボットの複数フロア移動や、既存施設へのスマートビル化改修における技術的・コスト的な課題を解決できることを確認した。これまで困難だった既存ビルへのロボットフレンドリーな改修が、比較的安価かつ短期間で実現できる。
大阪公立大学大学院情報学研究科の阿多信吾教授は、今回の連携について「空調システムや各種センサーの情報などとエレベーター連携を組み合わせることで、汚れた場所を検知した清掃ロボットが即座に現場に急行するといった、ダイナミックな制御が可能になる」と説明している。
今後は、今回の実証で得られた知見を基に、大学だけでなくオフィスビルなどへのスマートビル化プラットフォームの提供を共同で進めていく。