家畜改良センター、牛個体識別台帳システム刷新でデータ統合と業務効率化を推進

2025年10月30日10:33|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 独立行政法人家畜改良センターは、牛肉の食の安全性を支える「牛個体識別台帳電算システム」の刷新プロジェクトを、クロスキャットの支援のもとで進めることを発表した。10月29日、クロスキャットが発表した。新システム基盤としてOracle Cloud Infrastructure(OCI)上に統合データベースを構築し、データの一元管理と業務効率化を実現する。2026年3月の稼働を目指し、牛個体情報の正確な管理と迅速な情報連携を通じて、将来的な拡張性・保守性の向上を図る方針だ。

 家畜改良センターは、2003年に制定された「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」を契機に牛個体識別台帳電算システムを構築した。しかし、約20年にわたる長期運用と、共通の設計指針がないまま繰り返された暫定的な改修や機能追加により、ハードウエアの老朽化、複数データベース(DB)による運用保守の複雑化、多種多様な障害といった課題が顕在化していた。

 今回のプロジェクトは、これらの課題解決と公共システムのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を目的としている。システム開発ベンダーとして選定されたクロスキャットは、独自のDX推進支援フレームワーク「CC-Dash」を活用し、システム刷新を支援する。

 主なプロジェクト内容としては、OCIのインフラ環境構築、Oracle Autonomous AI Transaction Processingによる統合DBの構築と既存DBからのデータ移行、既存DBと統合DB間の双方向データ連携方式の実装が含まれる。また、ユーザー情報統合管理システムのアプリケーション開発には、ローコード開発ツールのOracle APEX Application Developmentを活用する。

 クロスキャットは、同プロジェクトにおいてサイロ化したデータベースの集約と複雑化した運用業務の改善を目指し、家畜改良センターと密にコミュニケーションを取りながらシステム設計を実施した。

ニュースリリース