伊藤忠商事、非鉄金属の取引管理システム刷新 パッケージ採用で業務効率化

2025年12月10日18:10|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 伊藤忠商事は、金属カンパニーにおけるアルミニウム取引管理の効率化を目的に、コモディティ取引・リスク管理(CTRM)システム「Ratispherd」を採用した。12月10日、同システムの導入を支援した日鉄ソリューションズ(NSSOL)が発表した。老朽化した既存システムを刷新し、社内システムとの連携をスムーズにすることで、業務全体の効率化と安定運用を図る。

 伊藤忠商事の金属カンパニーでは従来、独自にスクラッチ開発したシステムを使用して、非鉄金属固有の取引管理業務を行っていた。しかし、長年の運用によりシステムが老朽化していたほか、社内の他システムとの連携においても非効率な面があり、課題となっていた。そこで、システムの安定稼働を前提としつつ、業務効率の改善に寄与する解決策として、CTRMパッケージの導入を検討していた。

 採用されたRatispherdは、NSSOLが商社やエネルギー会社へのシステム導入で培ったノウハウを基に開発した国産パッケージ製品。アルミニウムなどの現物取引やデリバティブ取引に加え、受渡、計上、ポジション、損益管理など、コモディティ取引に関わる幅広い業務を支援する機能を持つ。これまでに商社やエネルギー会社など14社への導入実績がある。

20251210_ito.png
コモディティ取引・リスク管理システム「Ratispherd」の概要

 導入プロジェクトにあたっては、コモディティ取引やリスク管理業務に精通したNSSOLのメンバーが参画。伊藤忠商事固有の業務やシステム要件を整理した上で、ユーザー部署と一体となってプロジェクトを進めた。その結果、当初の計画通り2025年11月にシステムの本番稼働を迎え、コモディティ取引管理業務の効率化につなげている。

 今後は、今回のアルミニウム取引での実績を踏まえ、次のステップとして他の取り扱い商材へのRatispherdの展開も検討していく方針だ。

ニュースリリース