前橋赤十字病院、サイバーレジリエンス確立で「止まらない医療」を追求

2026年1月27日19:21|ニュースCaseHUB.News編集部
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 前橋赤十字病院は、ランサムウェアをはじめとするサイバー脅威への対策として、シスコシステムズのセキュリティソリューションとCohesityのデータ保護ソリューションを組み合わせたサイバーレジリエンス基盤を採用した。1月27日、Cohesity Japanが発表した。攻撃の侵害を前提とした検知と迅速なデータ復旧の体制を構築することで、インシデント発生時でも医療提供を継続できる環境を整えた。

 群馬県の前橋赤十字病院は、高度救命救急センターや基幹災害拠点病院などの指定を受ける地域医療の中核機関だ。電子カルテや診療支援システムが医療提供に不可欠となる中、国内外で増加する医療機関を標的としたサイバー攻撃への対応が急務となっていた。従来型の境界防御やバックアップ運用だけでは巧妙化する攻撃を防ぎ切ることは難しいと判断し、侵害を受けた場合でも迅速に業務を再開できる「サイバーレジリエンス」の強化を重要課題に掲げた。

 同院が採用したのは、ネットワークやエンドポイントの脅威を統合的に分析する「Cisco XDR」と、データ保護基盤「Cohesity DataProtect」を連携させた包括的なソリューションだ。Cisco XDRによって医療ネットワーク全体の可視化と脅威の早期検知を実現し、不審な挙動を迅速に把握する体制を構築。一方でCohesity DataProtectを導入し、改ざん不可(Immutable)バックアップによって攻撃を受けてもデータの安全性を確保し、感染前の状態へ速やかに復旧できる環境を整備した。

 この統合的な基盤により、脅威の検知から安全なデータ復旧までを分断なく実行できるようになった。万が一被害を受けた場合でも、影響範囲を即座に把握し、クリーンなデータを用いてシステムを立ち上げることが可能だ。また、バックアップ運用の自動化により、限られたIT人材でも安定した運用を実現。管理者の負荷を軽減するとともに、医療従事者がITトラブルの懸念を最小限に抑え、患者ケアに専念できる環境づくりにつなげている。

 前橋赤十字病院事務部情報システム課長の市根井栄治氏は、「インシデント発生時、自動的にバックアップが取られていれば、担当者はすぐに影響範囲の把握や原因特定に取りかかることができる。バックアップデータの存在が保険となり、落ち着いて対処にのぞめるはずだ。Cisco XDRとCohesity DataProtectの自動処理は、スピードだけでなく担当者の心理面にも有効だと考えている」と話している。

 今後も同院は、医療DXの進展に伴うデータ量の増加やシステムの重要性向上を見据え、高い可用性と信頼性を備えたデータセキュリティ基盤の運用を継続する。今回の取り組みを医療業界におけるサイバーレジリエンス強化のモデルケースとし、地域の救急・災害医療を支える「止まらない医療」の維持に努める考えだ。

ニュースリリース