オリンパスは、内視鏡業務を支援するクラウドサービスの開発体制を強化した。システム開発ベンダーとしてSkyを選定し、同社が提供する「クラウドインフラソリューション」を活用した。2月2日、Skyが発表した。Microsoft Azureを基盤としたサービス開発において、品質の向上とエンドユーザーの声を反映した柔軟な機能開発を実現した。医療現場の業務改善や働き方改革を支援するため、今後は生成AIの活用による開発効率の向上やさらなる機能拡充を目指す。
オリンパスは現在、小規模病院やクリニック向けの内視鏡画像管理・レポート作成支援サービス「Vivoly+」と、大規模病院向けに診療実績や機材の稼働状況を可視化する「Health Cloud for Clinical(HCC)」を開発・提供している。これらは従来オンプレミス型で提供していた製品をベースに、柔軟な機能拡張や幅広い医療機関への展開を目指してクラウド化したものだ。
同社にとって初のクラウドサービス開発となった「Vivoly」の立ち上げ当初は、インフラに関する知見や社内プロセスの不足が課題だった。当初は別の企業に開発を委託していたが、品質面での懸念から開発中盤にパートナーの変更を決断。オンプレミス版の開発実績があり、同社の開発規定や証跡管理に精通していたSkyに参画を依頼した。
開発体制の刷新により、品質管理体制が大幅に強化された。Skyは資格取得などを通じてクラウド技術を習得し、インフラ面での対応力を強化。単なる対症療法ではなく、試験観点そのものを見直す本質的な改善を提案することで、不具合の未然防止に貢献した。また、技術継承の仕組みが整備されているため、開発メンバーの入れ替えが発生しても品質レベルやノウハウを維持できる体制を確立している。
開発プロセスにおいては、要件が未確定な段階からSkyがプロトタイプの提示やリスク指摘を行う提案型の支援を継続。医療機関のニーズを反映した柔軟な機能追加が可能になった。現在は13名体制のチームで、アプリケーション開発から保守・運用の仕組みづくりまで一貫して対応している。Azureの管理機能を活用した安定稼働の仕組みを共同構築したことで、現場の業務に即した精度の高い機能を実現した。
今後は、自治体の胃がん検診業務への対応拡大や、AIによる撮影部位認識機能の精度向上など、「Vivoly+」および「HCC」の機能を順次拡充していく計画だ。医療情報を扱う製品として不可欠な品質の高さを維持しつつ、生成AIの活用による開発の効率化にも取り組む。
オリンパスメディカルシステムズ アプリケーションソフトウェア開発医療ネットワーク開発部シニアマネージャの河村正和氏は、「Skyはインフラ面で着実に技術力・対応力を強化し、リリースまで完遂してくれた。要件が不確定な段階でも代替案を提示してくれるなど、常に伴走するかたちで支援してくれている。今後はSkyと連携し、生成AIの活用などで開発効率を高め、さらなる機能拡充を実現していきたい」と話している。