山崎製パン、クラウド活用でデータ活用基盤の障害・災害対策を強化

2024年9月9日08:55|ニュースリリース公開日 2024年8月1日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 山崎製パンは、注文、生産、物流データなどのデータ活用基盤の災害復旧環境を「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で構築し、稼働を開始した。8月1日、日本オラクルが発表した。

 山崎製パンは全国約11万の店舗に製品を供給している。全国28カ所の工場と生地事業所を運営し、店舗、販売所からの注文を受け、自社流通網を通じてスピーディーに商品を消費者に届けるシステムを構築している。2010年から、これらの受注システムや配送システムなどの中核となる基幹データベース、データ・ウェアハウス基盤を「Oracle Exadata Database Machine」で運用。2021年には「Oracle Exadata X8M-2」にアップグレードし、1日500万件、月に約1億5000万件に達する明細データや、過去のデータを含む約900億件のデータを安定的に管理、分析できる基盤を構築したという。

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 その後、事業継続性をさらに向上すべく、オンプレミス環境のあるデータセンターの障害対策や自然災害対策を進め、23年3月、災害復旧環境をOCI上に新たに構築した。日本オラクルのコンサルティング・サービス部門がプロジェクトを支援している。

 構築環境の選定にあたっては、本番環境で実績と信頼性を持ち、リアルタイムなデータ連携による迅速な切り替えが可能な「Oracle Database」とOracle Exadataの利用を前提としていた。オンプレミス環境では、新たなデータセンターの確保、ハードウェアの保守、システム運用などのコスト増加や、構築期間の長期化が見込まれたため、クラウドの活用を決定。OCIの「Oracle Exadata Database Service」を導入することで、オンプレミスと同等の性能、安定性を維持しながら、「Oracle Data Guard」を活用したリアルタイム連携によって、障害発生時に迅速な切り替えが可能な災害復旧の構成と可用性向上を実現したという。

 通常時は災害復旧環境を最小リソースで構成し、必要に応じて無停止で拡張可能な柔軟なリソース制御を行う。また、本番環境と災害復旧環境間でデータ転送や接続コストを抑えることで、オンプレミス環境に実装した場合と比べてインフラコストを18%低減できるとしている。

 山崎製パン計算センター室長の上田和也氏は「OCI上で大規模なデータ活用基盤の災害復旧環境を稼働したことで、本番環境でのクラウド活用の道筋も見えてきた。今後は、OCIのサービスを活用し、オンプレミス環境にあるその他の既存システムのデータベースを含め、当社のITシステムのモダナイゼーションを推進していきたい」とコメントしている。

ニュースリリースURL
https://www.oracle.com/jp/news/announcement/yamazaki-baking-enhances-business-continuity-on-oracle-cloud-infrasrtucture-2024-08-01/