サントリー食品と日立製作所が協創してチェーントレーサビリティシステムを開発

2024年9月9日08:20|ニュースリリース公開日 2024年1月24日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 サントリー食品インターナショナル(以下、サントリー食品)および同グループ会社と、日立製作所との協創を通じて、工場への原材料入荷から製造、物流、倉庫保管までの情報を一元管理する「チェーントレーサビリティシステム」の運用を開始した。1月24日、日立製作所が発表した。

 飲料メーカーでは、商品の安全・安心の実現に向けて、厳格な生産・品質管理とともに、商品のサプライチェーン全般に関するさまざまな問い合わせに対して迅速に対応・説明することが求められている。こうしたなか、サプライチェーン・マネジメントをはじめとした生産活動の革新に注力してきたサントリー食品だが、今回の協創では、さらなる商品の安全・安心の追求に向けて、デジタル技術を駆使した次世代トレーサビリティモデルに資するテーマとして、サプライチェーン上のトレーサビリティ高度化を実現するシステム構築に取り組んだ。

 今回構築したチェーントレーサビリティシステムは、複数拠点にまたがる情報を一本のチェーンとして一元管理・追跡する。開発にあたっては日立製作所の工場全体最適化ソリューション「Hitachi Digital Solution for Manufacturing」や「IoTコンパス」などと、製造業として培った知見・ノウハウを活かし、より効率的なシステム構築を実現した。

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業界全体での一貫したチェーントレーサビリティを実現

 構築したシステムは、各工場における原材料の入荷・投入情報、商品の製造計画・実績情報、商品出荷情報や各倉庫における入庫・保管情報などのデータを収集・蓄積し、仮想空間上でサプライチェーンを流れる膨大な出荷品が、いつ、どこで、どの原材料を用い、誰によって作られ、どこに出荷されたかを、直観的かつ素早く追跡することができる。これにより、「原材料ロットから疑義商品を特定する(トレースフォワード)」、「商品ロットから疑義原材料を特定する(トレースバック)」などの、さまざまな業務シーンに適応可能なシステムとなっている。また、ノーコードで容易にトレースポイントの拡張が可能なため、今後のトレーサビリティ範囲の拡張を迅速に実現する。

 サントリー食品は本システムの導入により、異常のあった原材料を使用して他商品を製造するリスクを未然に防ぐことができる。また、材料や工程の異常による疑義商品を製造してしまった場合でも、その範囲を迅速・正確に把握することが可能となるため、市場への出荷も未然に防ぐことが可能だ。

 また、これまで品質保証部門が各拠点で行っていた原因調査、影響範囲の確認などを迅速化し、品質保証部門および関連部署(工場、物流部門)の大幅な業務効率化を図ることが期待される。このほかにも、廃棄ロスを抑えたり、不要な輸送の発生を抑えて物流の効率化に貢献したりするといった地球にやさしいソリューションでもある。

ニュースリリースURL
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2024/01/0124.html