ニプロがバリューチェーン全体の情報を一元管理して業務効率化を実現

2024年9月9日08:40|ニュースリリース公開日 2024年5月29日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ニプロが同社の脊髄損傷に対する再生医療等製品「ステミラック」の供給管理で用いる再生医療等製品バリューチェーン統合管理プラットフォーム「Hitachi Value Chain Traceability service for Regenerative Medicine(以下、HVCT RM)」の運用を開始した。5月29日、日立製作所が発表した。

 新たな治療法として研究開発・実用化が進む再生医療分野において、ニプロは脊髄損傷に対する再生医療等製品であるステミラックを製造・販売している。患者自身から採取した骨髄液中の間葉系幹細胞を体外で培養・増殖させ、再生医療等製品として患者に投与するという製品特徴から、細胞・製品の個体管理や情報トレースが必要とされる。こうした厳しい要件を満たすために、ニプロは大手製薬企業で導入実績のある日立製作所のHVCT RMを採用した。

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再生医療等製品バリューチェーン統合管理プラットフォームの概念図

 HVCT RMは、細胞の採取から患者への投与に至る全工程において、個体ごとにトレースや情報共有ができる。業務フローの実績と予定をシステム上で可視化するため、後工程におけるスケジュール調整の迅速化を図ることができる。

 また、秘匿化・仮名化技術でセキュリティ性能を高めたクラウドサービスを採用したことで、管理システムの拡張性を確保している。管理対象のデータは、細胞の情報や製品の製造スケジュール、各工程の進捗状況などにわたり、バリューチェーンの最適化、および業務効率化を実現した。

 複数ステークホルダーを経由して患者に届く再生医療等製品では、トレーサビリティ管理の徹底が求められる。ニプロは、日立製作所のデジタルツイン化ソリューション「IoTコンパス」を活用してサプライチェーンをデジタル空間に再現し、さまざまなステークホルダーによってサプライチェーン上で発生する業務のつながりの可視化にも取り組んでいる。これにより、細胞採取から製品のトレーサビリティを強化した。


ニュースリリースURL
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2024/05/0529.html