清水建設がデータドリブン経営の推進でデータ仮想統合環境を構築

2024年9月9日08:30|ニュースリリース公開日 2024年3月21日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 清水建設は、同社のDX推進における重要テーマの一つであるデータドリブン経営の加速へ向け、米デノードテクノロジーズの「Denodo」でデータ仮想統合環境を構築した。3月21日、データ仮想統合環境の構築を担当したジールが発表した。

 江戸時代の1804年に創業した清水建設は、「子どもたちに誇れるしごとを。」というコーポレートメッセージを掲げ、建設事業を柱に不動産開発やエンジニアリングなどの事業を220年にわたり展開し、日本の社会インフラを支えている。

 同社は2030年までの長期ビジョンとして「スマートイノーベーションカンパニー」を掲げ、建設事業の枠を超え、多様なパートナーとの共創を通じて時代を先駆けて価値を創造するとしている。そして、同ビジョンのもとで策定した中期デジタル戦略2020「Shimz デジタルゼネコン」では、DXによる変革を進めている。

 こうした戦略によってDXでデータドリブン経営を推進しようとした清水建設だが、部門内でのデータ活用には取り組んでいたものの、部門によってデータがサイロ化されていた。そのため、社内のシステム間でのデータ連携が難しいなどの課題があり、データドリブン経営実現の障壁となっていた。また、社内からデータ活用の要望があった際のデータ提供までのリードタイムやデータの鮮度、データコピー等によるガバナンスも課題だった。

 課題の解消に向けて、カギとなるのが誰もがデータ活用ができる"データの民主化"である。そこで清水建設は、物理的にデータを移動させることなく、仮想的にデータ統合ができる「データ仮想化」に着目。複数のツールを比較検討するなかでDenodoを採用した。

 Denodoは散在するシステムを仮想化によって汎用的に接続することで、データ参照先を一元化することができる。また、社内のデータ資産を目録として整理できる「データカタログ」を通じて、必要なデータをユーザー自身で探すといったことにも対応している。効率化と品質の観点から、ユーザー自身がデータカタログをメンテナンスできる点も製品選定のポイントとなった。

 導入にあたっては、清水建設ではこれまでデータ仮想化への取り組みがなかったことから、PoC(概念実証)における技術支援がプロジェクト成功のカギを握ると考えた。Denodoの導入および環境構築ベンダーには、これまでも清水建設のデータ活用を支援した実績があるジールを選定した。

 Denodoによるデータ仮想化基盤は、2022年10月に本稼働。導入後約1年が経過し、利用者数は現在、Denodoによる仮想統合環境に直接アクセスし、BIツールを使ってレポートを作成するパワーユーザーが100名、そのユーザーが作成したレポートを参照・活用するライトユーザーが500名になる。また、現場での多元的な分析に向け、ジールのオープンデータ提供サービス「CO-ODE(コ・オード)」も導入するなど、データ活用に広がりを見せている。

 清水建設は更なるステップアップを目指し、「データの民主化」実現に向けた先進的な取り組みを今後も続けていく考えである。

ニュースリリースURL
https://www.zdh.co.jp/topics/20240321/