リコー、データ基盤構築プロジェクトでインフォマティカのクラウドデータ管理基盤を採用

2024年9月18日09:30|ニュースCaseHUB.News編集部
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 リコーは全社データ基盤構築プロジェクトで、インフォマティカ(Informatica)のAI搭載クラウドデータ管理プラットフォーム「Intelligent Data Management Cloud」(IDMC)を採用した。AIを活用したデータドリブン経営を推進し、デジタルサービス企業への変革を加速させるという。9月12日、インフォマティカ日本法人が発表した。

 リコーは2025年度までにデジタルサービスの売上比率を60%以上まで押し上げるという目標を掲げている。この取り組みの中核プロジェクトが、2017年から進められているデータ基盤構築プロジェクト「GLIDER」だ。全世界50カ国以上のグループ会社から、売り上げ、在庫、オペレーションなどの生データを収集し、本社で一元的に処理・分析する仕組みを構築するもの。従来、データ収集や加工、分析にかかっていた工数と時間を大幅に削減した。GLIDERのデータ連携基盤としてIDMCを採用したかたちだ。

 同社はもともとオンプレミスのETLツールとして「Informatica PowerCenter」を使用しており、IDMCについては、PowerCenterの資産をクラウド上で再利用できる点を評価したという。ノーコードで操作できる点や、グローバルでのサポート体制、外部サービスとのスムーズな連携機能なども採用のポイントになった。

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IDMCをデータ連携基盤として活用したGLIDERの全体像

 IDMCの導入により、リコーはIT部門以外の社員もデータ処理や分析が手軽にできる環境を整備したという。業務のスピードと効率を上げるとともに、顧客のニーズに迅速に対応できるようになり、顧客満足度向上につながると見ている。リコー コーポレートIT統括センター所長の浜中啓恒氏は、「IDMCを導入したことで、PowerCenterやデータウェアハウスからのワークロードをわずか数分で迅速に最適化し、世界中のビジネスオペレーションをシームレスかつタイムリーにサポートすることが可能になった。使いやすいUIなどにより、ユーザーの日常業務の負担を軽減し、生産性や業務効率の向上にも寄与している」と話す。

 リコーは今年度、社内におけるデータの効果的な活用を支援する活動も開始しており、インフォマティカのAIエンジン「CLAIRE」の生成AI機能拡張サービス「CLAIRE GPT」や「CLAIRE Copilot」の導入も視野に入れる。データ処理を自動化したり、複雑なデータリクエストへの対応がしやすくなったりという効果を見込む。

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