帝都自動車交通が、ローコードプラットフォーム「intra-mart」を導入し、内製開発によるアナログ業務のデジタル化と完全ペーパーレス化を実現した。9月17日、NTTデータイントラマートが発表した。
帝都自動車交通は、東京23区と武蔵野市、三鷹市を営業エリアとするタクシー・ハイヤー業界の大手企業。グループ合計1540台の車両を擁している。環境保護と最先端技術の導入を通じ持続可能な交通サービスの提供に取り組んでおり、電気自動車車両の導入や自動運転タクシーの普及にも注力している。
近年、新たな事業展開に順応可能な環境の整備に向け、社内の業務基盤のデジタル化を推進している。一方で、経費精算の申請、承認業務では、Excelの申請書に内容を入力後、紙に印刷、関連証跡を貼り付けた上で回付、押印というアナログなフローによる運用が大きな足かせとなっていた。膨大な件数に加え、申請、承認部署双方が紙で保管していたため、書類の保管スペースの確保や監査時の書類準備にも課題を抱えていた。
2024年1月開始の「改正電子帳簿保存法」による電子取引のデータ保存の義務化への対応を契機に、事務処理の負荷を軽減しながら法制度にも網羅的に対応できるシステム導入の検討を開始した。既存のワークフローシステムを統合し、一元的なシステム基盤の整備を実現できることから、intra-martを採用した。イレギュラーな組織構造にも柔軟に対応できる高機能なワークフローであること、ローコード開発とスクラッチ開発の両輪で自社仕様に合わせて自由に内製開発できること、ユーザー数を限定しない全社規模で使えるCPU単位の課金体系であることを評価して採用を決めた。
今回の導入により帝都自動車交通では、小さな会議室が1年で埋まる程の膨大な書類の全面的なペーパーレス化により、省スペース化とコスト削減を実現している。経費精算の申請、承認業務の完全デジタル化によるリードタイムの大幅な短縮、承認フローおよびステータスの可視化によるガバナンス強化、立案書以外の各種申請ワークフローの統合も実現した。
帝都自動車交通は、2025年度を目途に立案書システムをintra-martに統合することでワークフローのさらなる一元化を目指す。さらに、会計システムなどの基幹システムとの連携で、各種データを取り込むハブとしても活用を拡大していく。