ジュビロ磐田は、試合会場の通信環境を改善するために、IIJエンジニアリングの「マルチアクセスソリューション」を採用した。9月24日、IIJエンジニアリングが発表した。入場管理やキャッシュレス決済の円滑化を実現したという。
大勢の観客が集まるサッカーJ1リーグの試合では、携帯キャリア網が輻輳し、電子チケットの確認やキャッシュレス決済などに支障が生じることも多く、対応が急務になっていた。しかし、広大なスタジアムの敷地に固定ブロードバンド回線を敷設するのはハードルが高く、設備維持管理コストも高額となるため、短期イベントの通信需要には見合わないという課題があったという。
ジュビロ磐田がそのソリューションとして導入したのがマルチアクセスソリューションだ。マルチアクセスソリューションは、大規模なイベントやコンサートなど、多くの人が集まり一時的に通信需要が増加する環境で、複数の携帯キャリア回線や衛星ブロードバンド通信サービスなどを組み合わせて快適なインターネット接続環境を提供する。
今回、インターネットイニシアティブ(IIJ)グループのIIJエンジニアリングは、IIJバックボーン経由でインターネットに接続する通信環境と、Wi-Fi環境をパッケージ化して提供。8月11日に袋井市のエコパスタジアムで開催されたJ1第26節「ジュビロ磐田対鹿島アントラーズ」戦で、およそ3万3000人の観客が集まる中、実際に導入した。
導入にあたっては、衛星アンテナやWi-Fi機器の設置位置、電波強度の測定など、IIJエンジニアリングが培ってきたノウハウを基に、最適な調整を行ったという。結果として、多くの人が集中する入場ゲートやチケット・グッズ売り場周辺でも、電子チケット確認端末やキャッシュレス決済端末等が安定して通信できる環境を実現したとしている。
ジュビロ磐田は、「3万人以上の方にご来場いただいた状況下でも、スムーズな入場、グッズ販売、飲食販売などを実現できた。また、利用に専門的な知識を必要としないため、さまざまな現場での業務やサービス提供で幅広く活用できた」とコメントしている。