トヨタ自動車、特許情報分析サービスで知財活用を強化 日立製作所が開発

2024年10月1日14:33|ニュースCaseHUB.News編集部
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 トヨタ自動車は、日立製作所の「特許情報分析サービス」を8月から運用開始した。9月25日、日立製作所が発表した。

 トヨタ自動車は、国内外で年間約1万4000件の特許を出願、約1万1000件の特許を登録するなど、世界トップクラスの知財力を誇る。同社は、未来のモビリティ社会の実現に向け、「経営・研究開発・知財」三位一体の活動を目指し、経営戦略と連動した知財活動に取り組んでいる。しかし、知財情報の分析は専門性の高い業務であり、従来は知財部門の限られた人員で行っていたため、研究開発部門などからの分析ニーズに十分に対応できない課題を抱えていた。

 今回導入した特許情報分析サービスは、知財の専門知識がない従業員でも、特許情報を分かりやすいグラフで可視化し、容易に分析できる。トヨタ自動車は2011年4月から、日立製作所の特許情報提供サービス「Shareresearch」を利用しており、特許文献の調査を効率化してきた。今回新たに導入したサービスは、Shareresearchと連携して、蓄積された社内外の特許調査データをシームレスに取り込める。

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特許情報分析サービスの利用による効果のイメージ

 本サービスの導入により、トヨタ自動車は、業界動向や競合他社の技術戦略に関する分析業務を効率化し、迅速な意思決定につなげることが可能となる。具体的には、分析したいデータを取り込むと、さまざまな視点から分析したグラフが自動生成される。グラフには、分析のヒントとなるガイドが表示され、特許業務の専門家でなくても最新の研究動向を把握し、今後の事業展開に向けた戦略的な洞察を得られる。また、グラフとコメント付きのレポートを作成する機能も備えており、部門間や関係者間での情報共有、経営層への説明資料作成にも活用できる。

 トヨタ自動車は、まず知財部門と開発部門で本サービスの利用を開始し、効果的な活用方法を模索しながら、順次、全社へ展開していく。

ニュースリリース