第一フロンティア生命、データカタログ再構築で分析環境を自律化

2026年3月26日21:10|ニュースCaseHUB.News編集部
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 第一フロンティア生命保険は、データ活用の民主化を加速させるため、新たなデータカタログを構築した。システム基盤には、マイクロソフトの「Microsoft Purview」と「Microsoft Power BI」を採用している。3月26日、導入を支援したジールが発表した。非IT部門のユーザーが必要なデータを自ら検索・取得できる環境を整え、意思決定の迅速化やDX人材の育成につなげる。

 第一フロンティア生命は、第一生命グループの戦略子会社として個人年金保険や終身保険を提供している。2025年9月末時点での保有契約件数は218万件に達しており、成長の原動力としてデータの高度利用を推進してきた。2025年4月には「Microsoft Fabric」を活用したデータ統合基盤を構築し、全社員の半数以上がBIツールを利用して業務に役立てる文化が定着しつつある。

 さらなるデータ活用の拡大に向けた次なる課題は、現場のユーザーが「必要なデータをすぐに入手できる環境」の実現だった。データの意味や所在を直感的に把握できるデータカタログの整備を目指したが、当初検討していたMicrosoft Purviewの標準機能は、非IT部門の一般ユーザーにとっては操作画面が複雑で扱いにくい懸念があった。マニュアルを作成しても操作の複雑さから膨大なページ数になり、実用性に欠ける状態だった。

 こうした課題を解決するため、第一フロンティア生命は「社員にとって使いやすく、満足度の高いデータカタログアプリ」の構築を決断した。パートナーには、Microsoft Fabricによるデータ統合基盤の構築実績があり、同社の業務内容やデータ構造に精通しているジールを選定した。

 新データカタログの構築にあたっては、既存資産であるMicrosoft Purviewを有効活用しつつ、参照用のインターフェースとして社内で普及しているMicrosoft Power BIを組み合わせた。開発プロセスでは、2025年6月に公開されたMicrosoft Purviewの新機能をいち早く検証して実装。標準機能だけでは取得が困難だったデータの最終更新日などのメタデータを連携させる仕組みを、ジールの技術支援により実現した。

 利便性の向上にも注力し、検索窓のビジュアル選定や導線設計においてアジャイル的な試作と修正を繰り返した。データ統合基盤へのアクセス権を持たないユーザーでも、個人情報をマスク化したサンプルデータを参照できる機能を実装するという工夫も行った。これにより、セキュリティを維持しながらデータの具体身を確認できる環境が整った。さらに、長年Excelで管理してきた外部設計書を自動でMicrosoft Purviewに取り込む仕組みも構築し、運用のメンテナンスフリー化も実現している。

 2025年10月に本番運用を開始した新データカタログは、すでに明確な効果を上げている。ユーザー自身でデータを調べられるようになり、IT部門への問い合わせが減少した。また、部門間での打ち合わせ中にその場でデータを検索して議論を進められるようになり、初動のスピードが向上している。全社横断のDX人材育成プロジェクトにおいても、新規参画者がスムーズに分析業務へ取り組むためのツールとして活用されている。

 今後は、マニュアルなどの非構造化データの活用も視野に入れ、全社員が日常的にカタログを参照してアイデアを形にする「社内データ経済圏」の拡大を目指す。さらに、2026年に向けた新たな挑戦として、データカタログと生成AIの連携も検討していく。

 第一フロンティア生命IT統括部DX推進グループ長の桂田聖吾氏は、労働人口が減少する中で社員一人あたりの生産性倍増は必達事項であり、その鍵はデータとAIの活用にあると指摘する。その上で、「他社であれば技術的な不確実性を理由に断るような難題に対しても、ジールは積極的に調査と検証を行い、具体的な解決策を提示してくれた」と評価している。

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