ファイントゥデイは、全社的なデータドリブン経営を加速させるため、次世代データ分析基盤を構築した。システム基盤としてクラウドデータウェアハウス(DWH)の「Snowflake」およびデータ変換ツールの「dbt」を採用している。3月30日、導入を支援したナウキャストが発表した。新基盤の稼働により、サプライチェーンや財務会計などの基幹データを統合的に管理・活用できる環境を整えた。
ファイントゥデイは、「TSUBAKI」や「SENKA」、「uno」といったブランドを展開するパーソナルケア企業だ。同社では、生産から販売に至るバリューチェーン全体の最適化を目指してデータの利活用を推進してきたが、従来のデータ基盤にはいくつかの課題があった。
具体的には、データパイプラインがブラックボックス化し、特定の担当者に依存する属人化が発生していた。複雑なビジネスロジックがプログラム内に固定化され、データ構造が分析の切り口ごとに最適化されていなかったため、データの再利用や品質管理に多大な工数を要していた。また、データの所在や定義を管理するカタログ機能が不足しており、開発者やユーザーが必要なデータにアクセスしづらい状況にあった。
さらに、従来の基盤構造ではグループやグローバルで統合された指標に基づく分析が困難であり、経営戦略や施策検討にデータを十分に生かしきれていなかった。こうした状況が迅速な意思決定を阻害し、AIモデルを活用した高度な分析の実現も難しくさせていたため、基盤の刷新を決断した。
今回のプロジェクトでナウキャストは、アーキテクチャ設計から実装、運用ルールの策定、社内エンジニアへのスキルトランスファーまでを一気通貫で支援した。まず、Snowflakeとdbtを用いて、複雑なサプライチェーンや財務データを「製品」「顧客」「時間」といったビジネス軸で整理したディメンショナルモデルへと再構築した。これにより、複雑な処理ロジックがSQLベースで可視化され、共通の定義でデータを扱える環境を実現した。
ガバナンス強化の面では、Terraformを用いてインフラ設定をコード化(IaC)した。AWSとSnowflakeの環境構築を自動化することで設定ミスを防止するとともに、厳格な権限管理と監査ログの追跡を可能にした。あわせて、生成AIの活用を促進するためにセマンティックレイヤーを整備し、ビジネスユーザーが自然言語などで容易にデータを引き出せる体制も整えた。
ファイントゥデイIT本部の小室英彦氏は、これまではデータ基盤の仕様がブラックボックス化しており、改修や新規データの取り込みに多くの時間とコストがかかっていたと振り返る。ナウキャストの支援によりdbtやTerraformといったモダンな技術を導入できたことで、自分たちで管理・運用できる透明性の高い基盤へと生まれ変わったとし、今後はこの基盤を活用してビジネス直結型のデータ活用を加速させていくとしている。
今後、ファイントゥデイは構築した基盤を核として、さらなるデータ活用の高度化を推進する。