中日製作所は、見積業務の属人化解消と情報共有の基盤構築を目的に、Leaner Technologiesが提供する見積管理システム「Leaner見積」を採用した。3月30日、Leaner Technologiesが発表した。すべての見積データをクラウド上に集約することで、過去の履歴検索を迅速化し、選定判断などの本質的な業務時間を創出する。今後は開発部門や外部サプライヤーを含めたシームレスな連携を強化し、組織全体の生産性向上を図る。
中日製作所は愛知県名古屋市に本社を置き、ドラッグストアやホームセンターなどで使用される陳列什器の企画・設計から製造までを一貫して手がけるメーカー。同社では従来、見積業務の多くが担当者個人の裁量に委ねられており、情報のブラックボックス化が課題となっていた。誰がどこにどのような理由で発注したのかが不透明なため、担当者間での情報共有が困難な状況にあった。
また、過去の応対履歴を容易に参照できないことから、同一案件での二度手間や多重見積といった非効率な業務が発生していた。加えて、調達の専門ノウハウの習得には多大な時間を要し、人材育成が個人の資質に依存してしまう点も組織的な課題となっていた。こうした背景から、数年後の世代交代を見据え、誰でも同じように情報を取得して業務を遂行できる環境を整備するため、システムの導入を決めた。
リーナー見積の導入により、社内外のコミュニケーションには大きな変化が生まれている。従来はメールや紙の書類から過去のデータを探し出す作業に時間を費やしていたが、導入後はすべての見積データがシステムに集約されたことで、必要な情報を瞬時に検索できるようになった。これにより、浮いた時間を「どの見積を選定すべきか」という本質的な検討や判断に充てられるようになった。
部門を跨いだ連携も強化された。開発部門からも見積の進捗状況をリアルタイムで確認できるようになったため、共有不足による不満が解消された。開発担当者がシステム上でサプライヤーと直接技術的なやり取りを行うなど、一気通貫での情報共有が実現している。
さらに、グループ会社である中日産業とのデジタル連携も進んだ。什器の企画開発や在庫管理を担う中日産業からの購買依頼を、製造を担う中日製作所がリーナー見積で受け取り、そのまま外部サプライヤーへ依頼するという一連の運用をデジタル上で完結させている。
中日製作所は、今回のシステム活用を通じて、ベテランのノウハウに頼る「できる人を育てる」体制から、誰もが成果を出せる「誰もができる環境」への転換を目指す。蓄積された見積データを活用し、調達部門の生産性と企業利益のさらなる向上につなげていきたい考えだ。