スクウェア・エニックスは、基幹システムの刷新に伴い、ウイングアーク1stのクラウド帳票サービス「SVF Cloud」を採用した。4月3日、ウイングアーク1stが発表した。他システムとの柔軟な連携により、帳票の大量出力にも耐えうる安定的な稼働環境を整備した。クラウド上で統一された帳票基盤を構築したことで、運用管理の効率化と高い処理パフォーマンスを両立させている。
総合エンターテインメント事業を展開するスクウェア・エニックスは、今後10年の成長を支える経営基盤の強化を目指し、基幹システムを「SAP S/4HANA」へ刷新した。同時に、稟議申請や購買申請、機材管理などのワークフロー業務については「Pega Platform」に統合している。これらの大規模なシステム移行に合わせ、クラウド環境で帳票を一貫して作成・運用できる仕組みの構築が必要となり、帳票基盤のクラウド化に踏み切った。
業務上の取引を記録・証明する帳票は、見積書や請求書など企業間取引において不可欠な存在だ。特に業務現場からは、システム刷新後も現行の帳票と全く同じレイアウトを維持したいという強い要望があった。日本企業特有の細かな枠線の太さや位置、文字間隔といった緻密なデザイン精度が求められる中、同社はこれらの課題を解決するソリューションとしてSVF Cloudを選定した。
採用の決め手となったのは、デジタル帳票基盤「SVF」が長年培ってきた実績による信頼性と安定性だ。また、帳票開発の容易さに加え、日本特有の複雑な帳票要件に対応できるレイアウト再現能力も高く評価された。
新たな基幹システムは2023年5月から運用を開始している。現在は、会計コアシステムであるSAP S/4HANAから出力される会計関連帳票のほか、フロントエンドを担うPega Platformから発行される請求書、見積書、発注書といった各種報告書のすべてがSVF Cloudを経由して出力されている。これにより、大量出力やリアルタイム出力においても優れた処理性能を確保し、日々発生する膨大な帳票の安定的な運用が可能になった。
今回のシステム刷新を機に、同社は業務プロセスや帳票システムの見直しも実施した。帳票の作成・管理をSVF Cloudに一括するというポリシーを策定し、最終的に約50本の重要な帳票に絞り込んだ。エンジニアのスキルを集約して仕様やシステム標準を統一したことで、メンテナンスコストの抑制も見込んでいる。
スクウェア・エニックスの担当者は、「大規模なシステム刷新によって業務プロセスが大きく変化したにもかかわらず、ユーザーに違和感を与えることもない。安定して高品質な帳票を継続して提供できていることが、SVF Cloudがもたらす大きな価値だ」と評価している。
今後は、生成AIを活用した業務プロセスの高度化にも取り組む。人間が介在する業務の自動化も視野に入れ、さらなるデジタル化やシステムの統合を検討していく。