太平洋フェリー、チャットボット安定応答で旅客対応を効率化 部署間転送も減少

2026年6月3日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 太平洋フェリーは、一般旅客からの問い合わせ対応の効率化を目的にAIチャットボットの「Tebot」を採用した。6月2日、「Tebot」を提供するアノテテが発表した。現在は月1万件を超える質問に対してAI回答率95%以上を維持する安定稼働を実現している。Webサイト上での顧客の自己解決を促すことで、他部署への問い合わせ転送作業が体感で減少するなど、社内業務の効率化にも貢献している。

 名古屋~仙台~苫小牧を結ぶ長距離フェリー航路を運航する太平洋フェリーは、運航日程や運賃、運航状況など幅広い旅客情報を伝える機会が多く、日常的に多数の問い合わせに対応していた。同社は2025年2月にホームページをリニューアルしたタイミングで、利用者が自ら情報を検索・確認できる仕組みの検討を開始した。それまでは、ホームページで回答が見つからない顧客からの問い合わせが予約センターに集中し、限られた人員の中で基本的な内容への対応も担わざるを得ない状況だった。FAQページも設置していたが対応しきれない場面があり、自動化に向けたツールの比較検討を進めてしていた。

 ツールの選定にあたっては、機能面、操作面、価格面のバランスに優れている点を評価し、Tebotの採用を決めた。比較していた他のツールは、多機能だった反面高価で、使いきれない機能まで必要なのかを軸に検討した結果、同製品が最適であると判断した。

 実際の運用プロセスにおいては、旅客営業部が主導して導入と管理を担っている。日々の動向確認として管理画面には基本的に毎日目を通すようにしており、どんな質問が届いたか、回答できていない項目はあるかといった分析画面を中心にチェックしている。学習データの更新は必要に応じた随時メンテナンスという形をとっており、運航スケジュールが変わる時期やリンク先の情報が書き換わるタイミングに合わせて、基本的にURLベースで生成AIに読み込ませてデータを更新している。

 導入の効果として、一般的なチャットボットの中でも高い利用率で推移する中、自由入力の質問に対しても95%以上のAI回答率を維持し、24時間体制で適切な旅客情報を届ける役割を果たしている。また、導入前はホームページの深い階層にある貨物専用の問い合わせ窓口に旅客に関する質問が届き、その都度担当部署へ転送する作業が発生していたが、導入後はその頻度が減少した。顧客の疑問がチャットボット内で自己解決できている効果が現れている。当初懸念していた深刻な誤回答による利用者からの指摘もほとんど届いておらず、AIによる自然で安定的な自動応答が実現している。

 太平洋フェリーでは今後、社内の予約センターで活用しているマニュアル等をスタッフが迅速に参照できる仕組みづくりを検討している。電話対応中に必要な情報をスムーズに解決できるようにし、現場の負担軽減を実現するために、チャットボットの活用も視野に入れている。

ニュースリリース